イロイロカケラ

オタクで腐女子なオバちゃんのたぶんお絵かき中心ブログ。10/7/1からFC2。それ以前の記事は前のブログで描いたものです。※版権物の二次作品は権利者と全く関係ありません。画像の無断転載禁!

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オリジナルBLSS13:decide 

それではダラダラ続いてきたこのシリーズもついに自称クライマックス!←(自称て★)
二人に訪れる変化とは………
初めて読む方はカテゴリーの『創作』からド~ゾ♪


**********************************



大学4年の春である。


時は誰の上にも平等に流れるはずだけど。

「だからさ、そろそろ…」

でもなんだか今までスローペースに流れてた俺の時間が急に早くなったような気がする。

「…安斉、聞いてる?」
あ、いけない。
関矢のトーンを下げた声で我にかえった。
「ご、ごめん…なんだっけ?」
「…やっぱり聞いてなかった。だからさ、そろそろクラスのみんなに連絡取った方がいいよねって」
「クラスって?」
「高校の時の」
「…なんで?」
飲み込めない俺に向かって関矢が大きな溜め息を吐く。
「俺達…クラス会の幹事だろ」

…………………………

忘れてた。
そもそも俺と関矢のきっかけは一緒に幹事になった事だったのだ。
いや、関矢とのきっかけを忘れてたんじゃなくて、あくまでも幹事の仕事をしなきゃいけないってのを忘れてただけだから!
それに俺毎日のように関矢や森本に会ってるから特別クラスメイトに会いたいとか無いし!
「それ、今時期やるもんなのか?もっと年くってからでも良くない?」
「大学卒業したらまた進路バラバラになるだろ。その前に一度集まっといた方がいいよ」
…進路かぁ…
「なぁ、関矢。お前就活って…」
「あ、俺内定取れたから」
突然。
サラリと言われた。
「……お…お前…いつの間にっ………?!」
「ほら、先週東京行ったの。面接って言ってなかったっけ?その前にバイトでやってたHP見てもらって、だいたい決めてくれてたみたいだけど」
「東京…」
「うん、ITの会社」
職種とかの問題じゃなくて。
「行っちゃうんだ…お前…」
俺の顔を見て関矢は何が言いたいのか分かったみたいだ。
「ん…」
急にすまなそうに目を伏せる。
「相談しなくてごめん…でも、仕事するのは俺だからさ。自分が何が出来て何をしたいのかって考えて…決めたんだ」
関矢の言い分は分かる。
でも、なんだか…置いてきぼりをくったような気分になって、そして。
「安斉はどうすんの?親の店に入るの?」
「…そのつもりだったんだけど」
「けど?」
「……………………」

昨夜のことだった。
親父が俺に唐突に聞いてきた。
「お前就職活動はどうなってんだ?」
俺は昔っからなんとなく親の店は自分がやっていくんだと思ってたから、そんな事聞かれるのが意外だった。
「え…?俺は店…」
「社会経験のないヤツになんか店を任せられるか」
バッサリと言われた。
「だいたい跡取りがいるような店じゃない。俺達の代で終わりにしたっていいんだ。そんな事気にしないでお前がやりたい仕事をしろ」
でも。
俺は『なんとなく』が実現するような気がしていたから急にそんな風に言われてもどうしていいか分からない。
でも店を継ぐのがやりたい事だと言い切るのも出来ない。
もちろんそんな情けない事親父には言えないけど。

「安斉?」
「…大丈夫だよ。俺も考えてるから」
関矢は俺の不安を感じ取ったのか。
俺の肩にコツンと頭を乗せて、そして何も言わずじっと動かなかった。
関矢の沈黙はなんだか温かくて安心する。
でも、あとどのくらいこうしていられるんだろう。
俺は関矢を守りたいと思っていたけど、こんな頼りない自分にそんな資格があるんだろうか。
こんな風に自分の将来を見据えて行動できる関矢の方が本当は強いのかもしれない。
俺達はキスもせず、巣穴にこもる動物のようにただ体を寄せ合っていた。
「大丈夫」
そして関矢がポツリと言う。
「安斉がどの道に進んでも、僕は安斉の味方だから」
とても嬉しいはずのその言葉は。
いつか離れてしまう日が来る可能性を思わせて泣きそうになる。
…俺も東京に行った方がいいのかな。
教授もどこか希望があれば推薦してくれると言ってたし。
でも…自分の将来って恋愛事で決めていいものなんだろうか?
関矢とは離れたくない。
だからって、それだけを優先する俺は関矢に愛される価値があるんだろうか?
「俺…お前が好きだよ」
「分かってるよ」
微笑みが胸に痛い事って…あるんだ。



「はい、これチェックして」
次の日。
関矢はクラスメイトの連絡先リスト、会場の候補リスト、予算案などまとめたものを俺の前に差し出した。
「女子への連絡は亜佐美が全部やってくれるって」
「…すげぇな…お前一人でこれ…?」
「亜佐美にも少し手伝ってもらったんだ」
森本…なんかまた散々なコト言われそうだけど。
今の鬱々した俺ではここまで手際よくできなかっただろう。
「…ごめんな。なんか、色々」
関矢は柔らかく微笑む。
「いいよ。安斉には当日司会やってもらうから。俺にはそれ無理だからね」
相変わらず決断を下せない俺に関矢は優しい。
それは…終わることも覚悟してるから?
なんて言葉は飲み込んで、俺は曖昧に笑うしかない。
ネガティブな自分がどうしようもなく、痛い。


そして。
クラス会当日がやってきた。
半端な時期にしては地元から離れた連中もそこそこ集まってきた。
関矢(と森本)の準備が周到なものだったからだろう。
(それに森本に逆らえる奴はそういない)
会場のレストランも概ね好評だった。
「それでは、西高32回生3年6組の再会を祝して、乾杯!!」
俺の合図で皆がグラスを合わせる。
「それじゃ、取りあえずフリータイムってことで飲んで食べて盛り上がっちゃってください!後で一人一人のトークタイムもあるんでよろしく!」
マイクを置いてテーブルについた俺に岡崎が寄ってきた。
「よっ、お疲れさん!」
「おう・・・俺は何にもしてねーけどな」
「そうなの?」
「準備はほとんど関矢と森本だよ」
「まあ司会だって大事な仕事じゃん」
そう言ってから岡崎は俺に小声で囁いた。
「お前関矢と上手くいってんだろ?何やさぐれてんだよ?」
「上手くって・・・」
確かに悪くなっているわけじゃない。
俺が勝手にいじけてるだけで関矢は変わらず優しい。
「だってさ、関矢のヤツ昔と違って雰囲気が柔らかいっつーか、いい感じじゃん」
そう言われて関矢に視線を移すと。
幾人かのクラスメイトに「お疲れさん!」とか「ここいい店じゃん」とかねぎらわれて、それにはにかんだ笑顔で応える関矢がいた。
そうだな……昔はあんなこと無かった。
でも、それは関矢が自分の力で少しずつ変わっていった結果だ。
今回の手際のように、関矢は結構実務処理能力がある。
ここから先は俺がいなくても進んでいけるんじゃないか……そんな気がして。
かえって俺の方が関矢に依存してしまうのが怖い。
「……関矢は本当はああいうヤツだったんだよ。将来も考えられない俺と違って、な」
「へ?何それ?」
岡崎が怪訝な顔をしてると他の連中も寄ってきた。
「安斉~、飲んでるかぁ?」
「久し振り~!安斉くん、今森本さんと付き合ってるってホント?!」
「あぁ……そうなんだ」
「意外ーーー!結局そうなるんだー」
「あれ?でも今日はあんまり一緒にいないんだね?」
「いつも一緒だからさ、たまにいいじゃない。みんなの前でくっついてるのって照れくさいし」
「そうよねー、たまには安斉くんも解放されなきゃ!」
上っ面の会話をしてる俺を、やれやれといった風情で眺めていた岡崎はいつの間にか別のテーブルに移っていた。


「それでは、ここで残念ながら出席できなかった担任の内村先生からのメッセージを読み上げます!えーと………『飲みすぎるなよ』………これだけですね」
会場がどっと沸く。
「それではトークタイム始めます!出席番号順で近況や抱負など自由に語ってください!あ、幹事は最後ってことで。まずは1番、浅倉からどうぞ!」
名前を呼ばれてオドオドと前にでた浅倉にマイクを渡す。
ふと会場を見回すと、関矢の姿が見えない。
さっき「先に会計すましとく」と言って出て行って、まだ戻っていないのだろうか。
……今日は関矢と事務的な会話しかしていない。
人前では出来るだけ近づかないようにする癖がついてしまった俺達が、こんな知り合いしかいない場所ではそうするしかないのだけど。
気がつくと浅倉が俺にマイクを差し出していた。
スピーチが終わったらしい。
「はい。では次に井口さんどうぞ!」
名簿を見ながらどんどん順番を回す。
会は滞りなく進んでいく。

「はい、次は岡崎ー!」
前に出てきた岡崎は、人前で話すのが得意なヤツにしては珍しく、落ち着きなく早口で受けも狙わずスピーチを終わらせた。
そして俺にマイクを戻して順番が次のヤツに回ってもすぐ後ろに下がろうとしなかった。
「お前、下がれば」
小声で話しかけた俺に、岡崎は明らかに動揺した表情で言った。
「や…ヤバいよ……どうしよう……」
「何が?」
「……ゴメン…俺、さっき森本さんとお前らの事話してて……それ横山に聞かれたみたいなんだ!」
「え?横山?」
「あいつ…彼女に振られたのお前のせいだって言って、何かと突っかかってきたじゃん……で、さっきから関矢全然戻ってこないし、横山もいないし……もしかして……あいつ関矢に何か……」
全身の血の気が引いた。
気がつくと森本も心配そうな顔で前に出て来ている。
俺は森本に進行表を押し付けると言った。
「森本!この後頼む!!岡崎は俺と一緒に来てくれ!!」

関矢……どこだ……!?
俺と岡崎は走り回ってあちこちのドアを開けた。
あいつに何かあったら………俺は………っ!!
焦りで気が狂いそうになる頃、会場から一番遠い非常階段のドアを開けると声が聞こえた。
「…あの女好きが男とできちまうなんてな…お前のケツってそんなにいいのかよ?俺にもやらせろよ」
下卑た含み笑いとかすかなうめき声。
俺達が急いで階段を駆けあがると、踊り場で横山に組み敷かれた関矢がいた。
瞬間的にカッときた俺は、横山を関矢からはがすため襟首を掴み壁に叩きつける。
「……関矢に何した」
「…ヒーローのお出ましか…ちっ、岡崎も一緒かよ。シラけるな」
「てめぇ!!」
考える間もなく拳が横山の顔に向っていく。
足元が崩れていく横山は、それでもふてぶてしく毒づいた。
「殴れよ。俺はこのまま会場に戻って言ってやるから!優等生で女にモテモテの安斉は実はホモでした、ってなぁ!!お前に殴られたって事もな!!」
「あ、安斉…」
なおも拳を振るおうとする俺は岡崎に止められ、その間に横山は転がるように階段を降りていく。
「関矢……」
「大丈夫だよ」
振り向くと。
関矢は青白い顔で、虚ろな目で……強張った笑顔を浮かべていた。
手首に残った痣、端が切れた口元、乱れたシャツ、震える体で。
俺がそっと抱き締めるとうわ言のように「大丈夫」と繰り返す。
……どこが大丈夫なんだ。
お前は……そうやって、今までも自分を必死で覆い隠して。
俺は、お前にそんな顔をさせたくて好きになったわけじゃないのに……!!

「関矢、戻ろう!」
関矢を立たせて腕を引っ張っていく。
されるがままになっている関矢と、後ろから「あ、安斉…?」と慌てて追ってくる岡崎。
会場のドアを開けると森本が冷や汗を浮かべながら進行していた。
(み、みんな終わっちゃったわよっ!)
こちらに気づくと口パクで訴えてくる。
俺は関矢の腕を掴んだまま森本からマイクを受け取るとスピーチを始めた。
「幹事の安斉と関矢です。みんな、今日は集まってくれてありがとう。俺の近況だけど……」
すぅっと深呼吸して言葉を続ける。
「俺は関矢と、付き合ってます!」
「あ、安斉!!」
慌てる関矢、頭を抱える岡崎と森本、会場は途端に騒然となる。
後ろの方では横山があっけにとられた顔をしている。
「言っとくけど、俺は男が好きなんじゃなくて関矢個人が好きなんで!」
固まる男達、悲鳴のような声をあげる女達。
何故か俺と付き合ってた女達だけは妙に納得した顔をしていた。
「俺はこれまで漠然と親の跡を継ぐとしか考えてなくて、将来の目標なんてなくて生きていたけど……決めました!俺の目標はこいつを支えられる人間になること!そのために東京で就職するこいつの傍で仕事探して、こいつに負けないくらいでっかい男になりたいと思います!!」
シンと静まりかえった会場。
「……以上!」
小さな拍手は森本から。
岡崎も我にかえったようにそれに続き、やがて拍手は会場全体に広がった。
「ありがとう!!」
横に立つ関矢を振り向くと、俺の手を掴んで茫然としたまま。
「コメントは?」
「……バカだよ、バカだ、安斉…」
「しょうがないじゃん」
「バカ……」
涙が溢れてくる関矢の頭を、俺は両腕で包み込んだ。
「いちゃつくなよなー!!」
誰かがひやかしの声をかける。
そんなのもうどうでもいい。
本当に大切なもののためには、ちっぽけなプライドなんて取るに足りないことだって分ったんだから。


::::::::::::::::::::::::::::::::::


ピンポーン。
「はーいっ」
ドアを開けるとそこにスーツ姿の男が立っていた。
「安斉…」
「よっ」
「今日行くの?…採用試験」
「そ。どう?これ惚れ直した?」
「…バカ」
でも安斉にスーツはしっくりと似合っていて、大人な雰囲気にちょっとドキドキした。
「俺さ、頑張るから」
「え」
「お前と生きていける自分になるために、頑張る」
その言葉に自然と笑みがこぼれてしまう。
僕は安斉の胸を拳でこづき、言った。
「僕も……頑張る」
どちらかに寄りかかるのではなく、二人で支えあっていける二人になるために。
相手に胸を張れて、そして相手に頼れる自分でいられるように。


**********************************


ふーーーーーーーっ★
自称クライマックスだけあって結構長かったですね。
この話は割と執筆難航しました。
どうやら前半の安斉の鬱具合にシンクロしてしまったようで、書いてると鬱々してさっぱり進まないんですわ(苦笑)
安斉がふっきれたシーンからやっとスピードが戻りましたww
私は案外安斉よりだったようです。
関矢くん大好きだしなぁvv

このシリーズも次回でとうとう最終回です。
(コレより先に書きあがってるけど★)
読んでる方が幸せになれるようなラストを目指しています♪
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2008/06/13 Fri. 02:02 [edit]

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