イロイロカケラ

オタクで腐女子なオバちゃんのたぶんお絵かき中心ブログ。10/7/1からFC2。それ以前の記事は前のブログで描いたものです。※版権物の二次作品は権利者と全く関係ありません。画像の無断転載禁!

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オリジナルSS『12ヶ月』#7 ai tai あなた 【加筆修正版 前編】 

7月UPしたオリジナルSSね。
どうも読み返して「なんか足りない……」とゆー想いが拭いきれず。
訂正するにも元々字数ギリギリで、直したらオーバーするの確実なんで前後編に分ける事にしました!
こないだUPしたヤツは消しても良かったけど。
ラストも変える事にしたんで「もしかして前の甘甘ラストが好きな人もいるかもしれない」とゆー考えの下、残しときます★
お暇な方は読み比べも一興かとww
あ、後編の方が大幅な変更あります。
前編は筋は変わらなくて文章をあちこちいじっただけです。
このシリーズをまだ読んだ事ない方はカテゴリーの『オリジナルSS』から探してお読みください♪
語り手は岡本、上杉、岡本、と交互です。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


低く続く振動音、高速で流れてく景色。
俺は落ち着かない気分で意味もなく通り過ぎる駅を数えていた。
「いやぁ、上杉は落ち着いてるなぁ。これなら本番もバッチリだな!」
目の前にはお茶のペットボトルを片手に上機嫌な数学担当教諭の吉川。
「いえ、緊張してますよ?僕は人前に出るの得意ではないので」
誰もが嘘だろうとツッミたくなるような涼しげな笑顔で答えるのは俺の隣に座る上杉。
「またまた!余裕たっぷりって顔で!」
吉川にそう言われるのももっともだ。
上杉は資料をパラパラと捲りながら言葉を返す。
「よくそんな風に言われるんですけど、本当なんですよ。でも今回は岡本が一緒なんで心強いです」
げほぉっっっ!!!
「あれ岡本、大丈夫?」
げほっ、げほっ、げほっ。
……飲んでたコーラむせちまった。
いきなり俺に振るな!!!
「岡本、俺はお前がこんなに数学が好きで研究熱心だったとは知らなかったぞ!」
「え、ええまあ」
俺も知りませんでしたよ、そんな事。
曖昧な返事をしながら上杉を軽く睨む。
気づいてるのか気づいてないのか、上杉は涼しい顔のままだ。
こいつが2年の時から個人でなにやら面倒くさそうな数学問題についての研究をやってたのは知っていた。
3年になってからその論文を手直ししてどこぞかに提出したとゆうのも聞いていた。
でも。
………勝手に俺の名前を共同研究者として書いていたなんて聞いてない!!!
おかげで高校生数学コンクールとかの優秀論文発表とシンポジウムとやらに呼ばれて、こうやって上杉と吉川という俺にとってありえない組み合わせで新幹線に乗り込む羽目になったのだ。
「…俺は何にも発言できないからな」
小声でボソリと呟く。
「いいよ。岡本とこうやって一緒にいられればいんだから」
綺麗に微笑む上杉から慌てて目を逸らして。
「ははは、お前ら本当に仲がいいんだな!」
豪快に笑う吉川には苦笑いを返す。
ええ、仲はいいですよ。
ゲイである上杉から好きだと告られる程度に。
そしてついつい連んでしまう程度に。
でも俺は上杉に対する態度をはっきりさせてない。
上杉もキスまではしてきたことあるけれど、それ以上は踏み込んでこない。
俺も好き…なような気がする……きっと。
うん、まだ……きっと。
こいつとどうしたいのか、考え出すと胸の中がモヤモヤとしてつかえた感じがする。
だからこんな泊りで出かけるのって微妙すぎるんだ。
色んな意味で。
……行き先を含めて。

そんな俺の想いをよそに新幹線は目的地の駅に到着した。
冷房の効いた新幹線から降りた途端、湿り気のある熱気が体を包む。
「あっちー………」
もう夕方だというのに7月の太陽はなかなか沈まない。
吉川が地図を出してホテルの方向を調べようとすると、上杉がサラリと指をさす。
「先生、住所表示だとこっちだと思いますよ」
本当に何をやらせてもソツのない奴だよな。
上杉の言う通り進んで行き、間もなく俺達は今夜の宿であるビジネスホテルに辿りついた。
「いらっしゃいませ」
慣れないホテルに少しビクつきながらフロントに会釈する。
今日は7月7日。
そのせいかロビーにはささやかな七夕飾りが並んでいた。
吉川がチェックインをするのを後ろで待ちながらボンヤリとそれらを眺める。
と、その時。
誰かの携帯から無粋な着信音がけたたましく鳴りだした。
「あ、失礼」
吉川が背広の内側を探りだす。
フロントに背を向けて話し出した吉川は一言二言喋った途端大きく息を飲み、その後は小声で何やらまくし立てる。
明らかに狼狽した顔の吉川に上杉が声をかけた。
「先生、何かありました?」
「あ、ああその……子供が…事故にあったって……病院から…」
えええ!!
驚いてる俺の横で上杉が素早く口を挟む。
「先生!早く戻ってください!お子さんの側にいてあげないと!」
「あっああ…でもお前ら…」
「僕達なら大丈夫です。もう高三ですよ。自分達でどうにかできますから」
「そ、そうか?悪いな!それじゃ頼んだぞ上杉!」
泡食った吉川は参加書類やら学校から出た宿泊費やらを上杉に押しつけると、さっき出てきたばかりの駅に向かって走り出していった。
その姿を見守る俺達にフロントがおずおずと声をかける。
「あの…それではお部屋はどのようにいたしましょうか?」
「ツイン一部屋でお願いします」
さっきまでの心配そうな顔はどこへやら。
上杉はいつもの涼しげな顔でテキパキとチェックインをはじめた。
ん………ツイン?…一部屋?
2人っきり!!!!!
吉川が大変だって時に俺の頭は「2人っきり」という言葉がグルグル回り始めた。
そしてふと耳に入った上杉の呟き。
「ま…これは好都合か」
え?何それ?!
き、聞き間違え……なんだよな……?
ははは……★

上杉は今日こそ俺との関係をはっきりさせるつもりなんだろうか?
上杉の後ろを歩きながら俺は妙に緊張していた。
何の変哲もない部屋に入る頃には背中に汗びっしょりだった。
冷房がガッチリ効いたホテルの中だとゆうのに。
「さて」
カバンを置くと上杉はベッドに勢いよく腰を下ろした。
こちらに流し目を向けて。
えと…これは……その……
俺の焦りに気付いたのか、上杉は緩く微笑んだ。
そして続けた言葉は。
「俺さ、義父からこっちの親戚の所に挨拶行くように言われてるんだ。これからちょっと出てくるよ。あんまり遅くならないと思うけど、待てなかったら晩飯済ませといて」
「……………うん」
なんだ…緊張して損した。
好都合ってのは門限とか吉川に設定されなくてすむとか、そうゆう事かな、きっと。
うん、今さら上杉も俺を焦ってどうこうしようなんて思わないよな。

俺はあからさまにホッとした顔をしてたんだろうか。
「それじゃ」
上杉は苦笑を残して部屋を出た。
その後ろ姿がドアの向こうに消えるのを確認してから俺は呟く。
「…やっぱり好都合だ」
俺も、この街でしたい事があったから。
すごく。
すごく迷ったけど。
でも気持ちの整理をつけたくて。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

慣れない街の繁華街。
それでも待ち合わせスポットってヤツはわかりやすい場所に決まっている。
ソワソワと浮き足立った表情の女の子やキョロキョロと落ち着かない男達。
そんな期待感を滲ませた人の間をぬって俺はあまりありがたくない待ち合わせ相手の姿を探してた。
「おーーーい!上杉、こっちこっち!」
向こうが先に俺を見つけたようだ。
振り向くと背の高い男がニコニコと駆け寄ってくる。
長身のせいもあるけど、甘めに整った顔と陽性の雰囲気は人混みの中でも目立つと改めて思う。
「よぉ、ここすぐ分かったか?」
「ええ、大丈夫です。前田さん」
「…相変わらず敬語」
長めの髪をかきあげながら苦笑。
相変わらずなのはそっちだろう。
俺に執着するのも。
「人間そう変わるもんじゃない。あなたもそうでしょ?」
「でもずっと無視してたお前が急に会ってくれるなんて、俺にとっていい方に変わったって期待したいんだけどな」
「…立ち話じゃゆっくり話せない。どこか入りましょう。お酒はダメですからね」
そう。
今回の遠出、俺の目的の一つはこの男とスッパリ縁を切る事。
岡本ときちんと向かい合う為に。

前田さんは俺と昔付き合っていた男。
自分としては苦い思い出しかないけれど……
岡本は俺と前田さんが付き合ってた事を知ってから、男同士ってのをリアルに意識するようになった気がする。
そして前田さんがまだ俺に執着してる事もたぶん気付いてる。
時々俺が着信を無視するのを物言いたげな目で見つめたりしてるから。
今のままじゃ岡本と関係を進めても前田さんの影を気にしてしまうだろう。
俺は余計なことは排除して岡本とちゃんと付き合いたい。
大丈夫。
この人の俺への執着はオモチャを他人に取られた子供みたいなものだって分かってるから。
誰にだって本気を見せない、本気なんかなれない人なんだから。

前田さんが俺を連れていったのはすぐ近くのカフェ。
ほの暗い店内は座席の間にびっちり観葉植物が並べられていてB.G.Mのジャズのボリュームが妙に大きい。
奥の席に座りコーヒーを二つオーダーすると、前田さんは俺の手の甲に自分の手をすっと重ねて微笑んだ。
なるほど、下心丸出しのチョイスだな。
ぺしっ★
「…いってーなぁ」
「そういうつもりではないので」
「じゃーナニ?そっちから会いたいって言ってきたんだぜ?」
手の痛みにもめげずに、音の大きな店内で俺の耳元に口を近づける前田さん。
俺はことさら大きな声で、語尾をはっきりと発音した。
もちろん笑顔で。
「もう俺に一切構うなって言いに来たんです」
「…そんな事でわざわざ?お前が?」
「だってあなた無視や電話で釘刺すだけじゃめげないでしょ?直接会えば……」
体をすり寄せた瞬間前田さんがドキリとしたのが分かった。
「俺の携帯番号も消去できる」
ヤツの目の前に突きつけたのは今ポケットからすり取ったばかりの携帯。
目の前の男は頭を抱えて大仰に溜め息を吐いた。
「マジかよ……七夕に会いたいって言うから期待したのに」
「こっちに来るついでってだけです。相変わらずロマンチックな演出がお好みで。それでどれだけの男をたぶらかしたんですか?」
「ひでーなぁ。俺今でもお前に惚れてんのに」
「たわ言はもう聞きませんよ」
そう言って携帯を開こうとした瞬間、俺の手の中で着信が鳴った。
仕方ないので携帯を差し出しかけたら前田さんはすごい勢いでひったくった。
「あ、悪い!ちょっと!」
慌てて小走りで入り口に向かう。
…どうせ今の男だろ。
こいつの誠意なんてそんなもんだ。
せっかくだからトドメを刺すのに利用させてもらおう。
俺は足音を忍ばせて前田さんの背後に近づいた。

「え?こっち来てんの?!」
この人がこんな明らかに焦った顔をするのは珍しい。
遊びに向かないタイプにでも手を出したか。
「…あー、その…今は…用事あって……」
面白い。
「え?ま、待ってるって?!でも…」
可笑しくって前田さんの肩越しに囁いてみた。
「いいじゃないですか、会ってあげれば。俺の用はすぐ終わるし」
ピクリと震える肩。
その瞬間携帯の画面が目に入った。
『岡本』
…………………え?
「なに?!なんでっ……岡本?!」
「ちょ!う、上杉っ!」
奪い取った携帯は既に切られていた。
指を動かすのももどかしく着信履歴を開く。
そこに表示された名前は確かに『岡本』
番号は俺が間違う筈のない彼のものだった。
「前田さん…なんで岡本があなたに電話してくるんですか?」
携帯を握りつぶしたい衝動と戦いながら目の前の男に尋ねる。
しかし相手は視線を泳がせたまま口を開かない。
「……どういう事か説明してもらいましょうか!」
思いっきり声にドスを効かせると前田さんは観念したように口を開き始めた。
滅多に声を荒げない俺のドス声はなかなか効果的なようだ。
「その……ゴールデンウイークに帰省した時…ちょーーーっと、お近づきに…」
そんな前から?!
「お近づきって、何したんですかっ!アンタっ!!」
「いや…アイツ経験なさそうだから……お前をどうゆう風にしたらいいか教えてあげようかと…」
余計なコトを!!!
「そしたら……なんか違う方向に効いちゃったみたいでさー…ははは…」
とっさに手が出て俺は前田さんの胸倉を掴んでいた。
ああ、アンタのお望み通り至近距離で囁いてやるよ。
「……岡本はどこで待ってるんですか?早く言ってください。言わないと……」
「ちょ!おま!そーゆーキャラじゃないだろっ?!」
「キャラって何です?俺に今そんな余裕があると思ってんですか?……余計な事言わずにさっさと教えろ!!」
「ははははいぃぃぃっ!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

手持無沙汰な俺はすっかり氷の溶けたアイスコーヒーを意味も無くストローでかき混ぜていた。
あの人は来るだろうか。
……前田さん。
来ないかもしれない。迷惑だったかもしれない。
所詮俺は上杉のオマケみたいなもんだから。
いくら電話で優しい声を聴かせてくれても、あの人の一番は上杉だから。
でも、俺はあの日あの人の手に感じた自分を再確認したかった。
そうでないと……俺が上杉の傍にいていいのか決められない気がした。
あ、上杉はもうホテルに戻ったかな。
俺がいないと心配するだろうか。
まあ…入れ違いになったとか道に迷ったとか言えばいいか。
うん。
一人で勝手に納得した俺はぬるいコーヒーをすする。
そして壁の大きな時計を見上げた瞬間。
不意に。
背後に、気配を感じた。
まさか…来てくれた……?
期待で心臓が高鳴って飛び出しそうだ。
「…!前田さ…」
決心して、振りむいて、そして固まる。
俺の目の前にいる良く見知った顔は皮肉気に微笑んでいた。
「前田さんなら来ないよ」
「…うえすぎ?」


《後編へ続く》
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


はい、前編しゅーりょーーー!!!
これだけでいつものSS一本分より長い★
ドロドロ展開ってやっぱ長くなるんだね(笑)
つかSSの定義ってありますか?何字以内、とか……
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2009/09/09 Wed. 17:19 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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2017-08
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