イロイロカケラ

オタクで腐女子なオバちゃんのたぶんお絵かき中心ブログ。10/7/1からFC2。それ以前の記事は前のブログで描いたものです。※版権物の二次作品は権利者と全く関係ありません。画像の無断転載禁!

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オリジナルSS『12ヶ月』#7 ai tai あなた 【加筆修正版 後編】 

7月にUPしたオリジナルBLSSの加筆修正版、後編です。
前編よりこっちの方が変更が多いです。

あ★コレ重要。

エロエロですからねっ!!
18禁シーンありますからねっ!!!


お読みになる方はその辺ご了解の上でお願いしますΓ○;
語り手は岡本、上杉、岡本の交互です。

*************************************


目の前の男が、抑揚のない声で俺に告げた。
「前田さんなら来ないよ」
「………うえすぎ?」
その言葉の内容は予測していたものだったけど。
……どうして?
まさか…前田さん……?
困惑を隠せない俺を上杉が静かに見下ろす。
その眼に背筋が震えて。
「あ、あの、俺っ!」
「引率教師がいないからって遅くまでフラフラしてちゃいけないな。ホテルに戻るよ」
俺は言い訳もできずに店から連れ出された。
上杉の口調はいつも通り落ち着いてるのに、その声や表情は見たこと無いくらい冷たくて。
掴まれた腕だけが妙に熱かった。
意外なほどの力強さに俺の足はモタモタと引きずられていく。
「…なんで?」
思わず零れた言葉。
それは上杉の耳にしっかり届いてしまった。
「なんで?それはこっちのセリフだよ」
硬い声と共に振り向く上杉の眼は昏くて、熱くて。
…怒らせた。
普段あんなに穏やかな上杉を俺は怒らせた………

道中上杉は何も訊かず、俺も何言えなかった。
ただ無言でホテルへの道を進む。
腕はがっしりと掴まれたままで。
ほんの10分くらいの距離のはずなのにやたら長く感じる。
沈黙に耐えかねて、何を言っていいか分からないけど口を開きそうになった時。
「え?」
上杉は急に狭い路地に入り、そこからネオンが瞬く建物に入っていった。
引っ張られるままの俺の目の端に看板の『ご休憩、ご宿泊』の文字が映る。
あっけにとられてる間に上杉は無言で部屋の写真が並ぶ大きなパネルのスイッチを押して、スタスタと廊下を進むと番号を確認して多くのドアの内の一つを開けた。
「う、上杉。泊まってたホテルに戻るんじゃないのか?」
おずおずと話しかけると上杉の手が俺の肩にかかり、あっという間に広いベッドに体を倒された。
抑え込まれた俺は動くことができない。
「ビジネスホテルで大きい声出されても困る」
「お、大きい声って…」
「前田さんとこういう事するつもりだったんだろう?」
上にのしかかる上杉の俺を見下ろす瞳が冷たいのに燃えるようで。
綺麗で怖くって、胸が押しつぶされそうだ。
そんな風に思ってたら、その顔が近づき口を塞がれた。

「んっ…んん!」
歯の隙間を執拗に舌でなぞって、わずかな隙間から熱い舌が入り込んでくる。
そして口の中で生き物のようにうごめく。
舐めて、絡めて、吸って。
口蓋の上を執拗になぞられると下半身に熱が集まってきたのが分かる。
「ふ…あっ……」
漏れる声が恥ずかしいけど抑えられない。
今まで舌を入れるキスを上杉に数回されたけど、それとは全然違う。
気がつくとキスと同時に背筋や小さな乳首も撫でまわされていて、与えられる刺激に頭がおかしくなりそうだ。
「あんっ…んん……あ!」
視界が朦朧としてくる。
抵抗する気力もない、だらしなく口の端から唾液が流れる俺の耳元に上杉は冷たく囁いた。
「そんなに前田さんに抱かれたかったの?……淫乱」

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2009/09/09 Wed. 17:20 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS『12ヶ月』#7 ai tai あなた 【加筆修正版 前編】 

7月UPしたオリジナルSSね。
どうも読み返して「なんか足りない……」とゆー想いが拭いきれず。
訂正するにも元々字数ギリギリで、直したらオーバーするの確実なんで前後編に分ける事にしました!
こないだUPしたヤツは消しても良かったけど。
ラストも変える事にしたんで「もしかして前の甘甘ラストが好きな人もいるかもしれない」とゆー考えの下、残しときます★
お暇な方は読み比べも一興かとww
あ、後編の方が大幅な変更あります。
前編は筋は変わらなくて文章をあちこちいじっただけです。
このシリーズをまだ読んだ事ない方はカテゴリーの『オリジナルSS』から探してお読みください♪
語り手は岡本、上杉、岡本、と交互です。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


低く続く振動音、高速で流れてく景色。
俺は落ち着かない気分で意味もなく通り過ぎる駅を数えていた。
「いやぁ、上杉は落ち着いてるなぁ。これなら本番もバッチリだな!」
目の前にはお茶のペットボトルを片手に上機嫌な数学担当教諭の吉川。
「いえ、緊張してますよ?僕は人前に出るの得意ではないので」
誰もが嘘だろうとツッミたくなるような涼しげな笑顔で答えるのは俺の隣に座る上杉。
「またまた!余裕たっぷりって顔で!」
吉川にそう言われるのももっともだ。
上杉は資料をパラパラと捲りながら言葉を返す。
「よくそんな風に言われるんですけど、本当なんですよ。でも今回は岡本が一緒なんで心強いです」
げほぉっっっ!!!
「あれ岡本、大丈夫?」
げほっ、げほっ、げほっ。
……飲んでたコーラむせちまった。
いきなり俺に振るな!!!
「岡本、俺はお前がこんなに数学が好きで研究熱心だったとは知らなかったぞ!」
「え、ええまあ」
俺も知りませんでしたよ、そんな事。
曖昧な返事をしながら上杉を軽く睨む。
気づいてるのか気づいてないのか、上杉は涼しい顔のままだ。
こいつが2年の時から個人でなにやら面倒くさそうな数学問題についての研究をやってたのは知っていた。
3年になってからその論文を手直ししてどこぞかに提出したとゆうのも聞いていた。
でも。
………勝手に俺の名前を共同研究者として書いていたなんて聞いてない!!!
おかげで高校生数学コンクールとかの優秀論文発表とシンポジウムとやらに呼ばれて、こうやって上杉と吉川という俺にとってありえない組み合わせで新幹線に乗り込む羽目になったのだ。
「…俺は何にも発言できないからな」
小声でボソリと呟く。
「いいよ。岡本とこうやって一緒にいられればいんだから」
綺麗に微笑む上杉から慌てて目を逸らして。
「ははは、お前ら本当に仲がいいんだな!」
豪快に笑う吉川には苦笑いを返す。
ええ、仲はいいですよ。
ゲイである上杉から好きだと告られる程度に。
そしてついつい連んでしまう程度に。
でも俺は上杉に対する態度をはっきりさせてない。
上杉もキスまではしてきたことあるけれど、それ以上は踏み込んでこない。
俺も好き…なような気がする……きっと。
うん、まだ……きっと。
こいつとどうしたいのか、考え出すと胸の中がモヤモヤとしてつかえた感じがする。
だからこんな泊りで出かけるのって微妙すぎるんだ。
色んな意味で。
……行き先を含めて。

そんな俺の想いをよそに新幹線は目的地の駅に到着した。
冷房の効いた新幹線から降りた途端、湿り気のある熱気が体を包む。
「あっちー………」
もう夕方だというのに7月の太陽はなかなか沈まない。
吉川が地図を出してホテルの方向を調べようとすると、上杉がサラリと指をさす。
「先生、住所表示だとこっちだと思いますよ」
本当に何をやらせてもソツのない奴だよな。
上杉の言う通り進んで行き、間もなく俺達は今夜の宿であるビジネスホテルに辿りついた。
「いらっしゃいませ」
慣れないホテルに少しビクつきながらフロントに会釈する。
今日は7月7日。
そのせいかロビーにはささやかな七夕飾りが並んでいた。
吉川がチェックインをするのを後ろで待ちながらボンヤリとそれらを眺める。
と、その時。
誰かの携帯から無粋な着信音がけたたましく鳴りだした。
「あ、失礼」
吉川が背広の内側を探りだす。
フロントに背を向けて話し出した吉川は一言二言喋った途端大きく息を飲み、その後は小声で何やらまくし立てる。
明らかに狼狽した顔の吉川に上杉が声をかけた。
「先生、何かありました?」
「あ、ああその……子供が…事故にあったって……病院から…」
えええ!!
驚いてる俺の横で上杉が素早く口を挟む。
「先生!早く戻ってください!お子さんの側にいてあげないと!」
「あっああ…でもお前ら…」
「僕達なら大丈夫です。もう高三ですよ。自分達でどうにかできますから」
「そ、そうか?悪いな!それじゃ頼んだぞ上杉!」
泡食った吉川は参加書類やら学校から出た宿泊費やらを上杉に押しつけると、さっき出てきたばかりの駅に向かって走り出していった。
その姿を見守る俺達にフロントがおずおずと声をかける。
「あの…それではお部屋はどのようにいたしましょうか?」
「ツイン一部屋でお願いします」
さっきまでの心配そうな顔はどこへやら。
上杉はいつもの涼しげな顔でテキパキとチェックインをはじめた。
ん………ツイン?…一部屋?
2人っきり!!!!!
吉川が大変だって時に俺の頭は「2人っきり」という言葉がグルグル回り始めた。
そしてふと耳に入った上杉の呟き。
「ま…これは好都合か」
え?何それ?!
き、聞き間違え……なんだよな……?
ははは……★

上杉は今日こそ俺との関係をはっきりさせるつもりなんだろうか?
上杉の後ろを歩きながら俺は妙に緊張していた。
何の変哲もない部屋に入る頃には背中に汗びっしょりだった。
冷房がガッチリ効いたホテルの中だとゆうのに。
「さて」
カバンを置くと上杉はベッドに勢いよく腰を下ろした。
こちらに流し目を向けて。
えと…これは……その……
俺の焦りに気付いたのか、上杉は緩く微笑んだ。
そして続けた言葉は。
「俺さ、義父からこっちの親戚の所に挨拶行くように言われてるんだ。これからちょっと出てくるよ。あんまり遅くならないと思うけど、待てなかったら晩飯済ませといて」
「……………うん」
なんだ…緊張して損した。
好都合ってのは門限とか吉川に設定されなくてすむとか、そうゆう事かな、きっと。
うん、今さら上杉も俺を焦ってどうこうしようなんて思わないよな。

俺はあからさまにホッとした顔をしてたんだろうか。
「それじゃ」
上杉は苦笑を残して部屋を出た。
その後ろ姿がドアの向こうに消えるのを確認してから俺は呟く。
「…やっぱり好都合だ」
俺も、この街でしたい事があったから。
すごく。
すごく迷ったけど。
でも気持ちの整理をつけたくて。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

慣れない街の繁華街。
それでも待ち合わせスポットってヤツはわかりやすい場所に決まっている。
ソワソワと浮き足立った表情の女の子やキョロキョロと落ち着かない男達。
そんな期待感を滲ませた人の間をぬって俺はあまりありがたくない待ち合わせ相手の姿を探してた。
「おーーーい!上杉、こっちこっち!」
向こうが先に俺を見つけたようだ。
振り向くと背の高い男がニコニコと駆け寄ってくる。
長身のせいもあるけど、甘めに整った顔と陽性の雰囲気は人混みの中でも目立つと改めて思う。
「よぉ、ここすぐ分かったか?」
「ええ、大丈夫です。前田さん」
「…相変わらず敬語」
長めの髪をかきあげながら苦笑。
相変わらずなのはそっちだろう。
俺に執着するのも。
「人間そう変わるもんじゃない。あなたもそうでしょ?」
「でもずっと無視してたお前が急に会ってくれるなんて、俺にとっていい方に変わったって期待したいんだけどな」
「…立ち話じゃゆっくり話せない。どこか入りましょう。お酒はダメですからね」
そう。
今回の遠出、俺の目的の一つはこの男とスッパリ縁を切る事。
岡本ときちんと向かい合う為に。

前田さんは俺と昔付き合っていた男。
自分としては苦い思い出しかないけれど……
岡本は俺と前田さんが付き合ってた事を知ってから、男同士ってのをリアルに意識するようになった気がする。
そして前田さんがまだ俺に執着してる事もたぶん気付いてる。
時々俺が着信を無視するのを物言いたげな目で見つめたりしてるから。
今のままじゃ岡本と関係を進めても前田さんの影を気にしてしまうだろう。
俺は余計なことは排除して岡本とちゃんと付き合いたい。
大丈夫。
この人の俺への執着はオモチャを他人に取られた子供みたいなものだって分かってるから。
誰にだって本気を見せない、本気なんかなれない人なんだから。

前田さんが俺を連れていったのはすぐ近くのカフェ。
ほの暗い店内は座席の間にびっちり観葉植物が並べられていてB.G.Mのジャズのボリュームが妙に大きい。
奥の席に座りコーヒーを二つオーダーすると、前田さんは俺の手の甲に自分の手をすっと重ねて微笑んだ。
なるほど、下心丸出しのチョイスだな。
ぺしっ★
「…いってーなぁ」
「そういうつもりではないので」
「じゃーナニ?そっちから会いたいって言ってきたんだぜ?」
手の痛みにもめげずに、音の大きな店内で俺の耳元に口を近づける前田さん。
俺はことさら大きな声で、語尾をはっきりと発音した。
もちろん笑顔で。
「もう俺に一切構うなって言いに来たんです」
「…そんな事でわざわざ?お前が?」
「だってあなた無視や電話で釘刺すだけじゃめげないでしょ?直接会えば……」
体をすり寄せた瞬間前田さんがドキリとしたのが分かった。
「俺の携帯番号も消去できる」
ヤツの目の前に突きつけたのは今ポケットからすり取ったばかりの携帯。
目の前の男は頭を抱えて大仰に溜め息を吐いた。
「マジかよ……七夕に会いたいって言うから期待したのに」
「こっちに来るついでってだけです。相変わらずロマンチックな演出がお好みで。それでどれだけの男をたぶらかしたんですか?」
「ひでーなぁ。俺今でもお前に惚れてんのに」
「たわ言はもう聞きませんよ」
そう言って携帯を開こうとした瞬間、俺の手の中で着信が鳴った。
仕方ないので携帯を差し出しかけたら前田さんはすごい勢いでひったくった。
「あ、悪い!ちょっと!」
慌てて小走りで入り口に向かう。
…どうせ今の男だろ。
こいつの誠意なんてそんなもんだ。
せっかくだからトドメを刺すのに利用させてもらおう。
俺は足音を忍ばせて前田さんの背後に近づいた。

「え?こっち来てんの?!」
この人がこんな明らかに焦った顔をするのは珍しい。
遊びに向かないタイプにでも手を出したか。
「…あー、その…今は…用事あって……」
面白い。
「え?ま、待ってるって?!でも…」
可笑しくって前田さんの肩越しに囁いてみた。
「いいじゃないですか、会ってあげれば。俺の用はすぐ終わるし」
ピクリと震える肩。
その瞬間携帯の画面が目に入った。
『岡本』
…………………え?
「なに?!なんでっ……岡本?!」
「ちょ!う、上杉っ!」
奪い取った携帯は既に切られていた。
指を動かすのももどかしく着信履歴を開く。
そこに表示された名前は確かに『岡本』
番号は俺が間違う筈のない彼のものだった。
「前田さん…なんで岡本があなたに電話してくるんですか?」
携帯を握りつぶしたい衝動と戦いながら目の前の男に尋ねる。
しかし相手は視線を泳がせたまま口を開かない。
「……どういう事か説明してもらいましょうか!」
思いっきり声にドスを効かせると前田さんは観念したように口を開き始めた。
滅多に声を荒げない俺のドス声はなかなか効果的なようだ。
「その……ゴールデンウイークに帰省した時…ちょーーーっと、お近づきに…」
そんな前から?!
「お近づきって、何したんですかっ!アンタっ!!」
「いや…アイツ経験なさそうだから……お前をどうゆう風にしたらいいか教えてあげようかと…」
余計なコトを!!!
「そしたら……なんか違う方向に効いちゃったみたいでさー…ははは…」
とっさに手が出て俺は前田さんの胸倉を掴んでいた。
ああ、アンタのお望み通り至近距離で囁いてやるよ。
「……岡本はどこで待ってるんですか?早く言ってください。言わないと……」
「ちょ!おま!そーゆーキャラじゃないだろっ?!」
「キャラって何です?俺に今そんな余裕があると思ってんですか?……余計な事言わずにさっさと教えろ!!」
「ははははいぃぃぃっ!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

手持無沙汰な俺はすっかり氷の溶けたアイスコーヒーを意味も無くストローでかき混ぜていた。
あの人は来るだろうか。
……前田さん。
来ないかもしれない。迷惑だったかもしれない。
所詮俺は上杉のオマケみたいなもんだから。
いくら電話で優しい声を聴かせてくれても、あの人の一番は上杉だから。
でも、俺はあの日あの人の手に感じた自分を再確認したかった。
そうでないと……俺が上杉の傍にいていいのか決められない気がした。
あ、上杉はもうホテルに戻ったかな。
俺がいないと心配するだろうか。
まあ…入れ違いになったとか道に迷ったとか言えばいいか。
うん。
一人で勝手に納得した俺はぬるいコーヒーをすする。
そして壁の大きな時計を見上げた瞬間。
不意に。
背後に、気配を感じた。
まさか…来てくれた……?
期待で心臓が高鳴って飛び出しそうだ。
「…!前田さ…」
決心して、振りむいて、そして固まる。
俺の目の前にいる良く見知った顔は皮肉気に微笑んでいた。
「前田さんなら来ないよ」
「…うえすぎ?」


《後編へ続く》
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


はい、前編しゅーりょーーー!!!
これだけでいつものSS一本分より長い★
ドロドロ展開ってやっぱ長くなるんだね(笑)
つかSSの定義ってありますか?何字以内、とか……

2009/09/09 Wed. 17:19 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS『12ヶ月』#7 ai tai あなた 

はい、私が細々と続けてるオリジナルのSSシリーズ(もちろんBLww)の続きです。
今回は7月っちゅーことで七夕をイメージ…したんだけどさほど七夕でもないような★

語り手は岡本→上杉→岡本→上杉→岡本、と交互にいきます。
初めて読む方はカテゴリーの「オリジナルSS」から探して第1話から読んでいただけるとよろしいかと♪
いや第3話くらいからでも支障はないかな?(笑)

あ、コレ重要ですね★
※注意!ホモエロシーンあり!!!
BL漫画or小説読んだことない人&その手が苦手な人は今すぐ引き返してください!!!!!


では上記にご承諾いただけた方、ドーゾ♪

***********************************

低く続く振動音、高速で流れてく景色。
「いやぁ、上杉は落ち着いてるなぁ。これなら本番もバッチリだな!」
目の前にはお茶のペットボトルを片手に上機嫌な数学担当教諭の吉川。
「いえ、緊張してますよ?僕は人前に出るの得意ではないので」
誰もが嘘だろうとツッミたくなるような涼しげな笑顔で答えるのは俺の隣に座る上杉。
「またまた!余裕たっぷりって顔で!」
吉川にそう言われるのももっともだ。
上杉は資料をパラパラと捲りながら言葉を返す。
「そんな風に良く言われるんですけど、本当なんですよ。でも今回は岡本が一緒なんで心強いです」
飲んでたコーラを吹くかと思った。
……いきなり俺に振るな!!!
「そうだな。岡本、お前がこんなに数学が好きで研究熱心だったとは知らなかったぞ!」
「え、ええまあ」
俺も知りませんでしたよ、そんな事。
曖昧な返事をしながら上杉を軽く睨む。
気づいてるのか気づいてないのか、上杉は涼しい顔のままだ。
こいつが2年の時から個人でなにやら面倒くさそうな数学問題についての研究をやってたのは知っていた。
3年になってからその論文を手直ししてどこぞかに提出したとゆうのも聞いていた。
でも。
………勝手に俺の名前を共同研究者として書いていたなんて聞いてない!!!
おかげで高校生数学コンクールとかの優秀論文発表とシンポジウムとやらに呼ばれて、こうやって上杉と吉川という俺にとってありえない組み合わせで新幹線に乗り込む羽目になったのだ。
「…俺は何にも発言できないからな」
小声でボソリと呟く。
「いいよ。岡本とこうやって一緒にいられればいんだから」
綺麗に微笑む上杉から慌てて目を逸らす。
「ははは、お前ら本当に仲がいいんだな!」
豪快に笑う吉川に苦笑いを返す。
ええ、仲はいいですよ。
ゲイである上杉から好きだと言われる程度に。
そしてついつい一緒に過ごしてしまう程度に。
でも俺は上杉に対する態度をはっきりさせてない。
上杉もキスまではしてきたことあるけれど、それ以上は踏み込んでこない。
好き…なんだと思う、でも言いきれない。
だからこんな泊りで出かけるのって微妙すぎるんだ。
色んな意味で。
……行き先を含めて。

そんな想いをよそに新幹線は目的地の駅に到着した。
冷房の効いた新幹線から降りた途端、湿り気のある熱気が体を包む。
「あっちー………」
もう夕方だというのに7月の太陽はなかなか沈まない。
吉川が地図を出してホテルの方向を調べようとすると、上杉がサラリと指をさす。
「先生、住所表示だとこっちだと思いますよ」
本当に何をやらせてもソツのない奴だよな。
上杉の言う通り進んで行き、間もなく俺達は今夜の宿であるビジネスホテルに辿りついた。
「いらっしゃいませ」
慣れないホテルに少しビクつきながらフロントに会釈する。
今日は7月7日。
そのせいかロビーにはささやかな七夕飾りが並んでいた。
吉川がチェックインをするのを後ろで待ちながらボンヤリとそれらを眺める。
と、その時。
誰かの携帯が鳴りだした。
「あ、失礼」
吉川だった。
フロントに背を向けて話し出した吉川は一言二言喋った途端大きく息を飲み、その後は小声で何やらまくし立てる。
明らかに狼狽した顔の吉川に上杉が声をかけた。
「先生、何かありました?」
「あ、ああその……子供が…事故にあったって……病院から…」
えええ!!
驚いてる俺の横で上杉が素早く口を挟む。
「先生!早く戻ってください!お子さんの側にいてあげないと!」
「あっああ…でもお前ら…」
「僕達なら大丈夫です。もう高三ですよ。自分達でどうにかできますから」
「そ、そうか?悪いな!それじゃ頼んだぞ上杉!」
泡食った吉川は参加書類やら学校から出た宿泊費やらを上杉に押しつけると、さっき出てきたばかりの駅に向かって走り出していった。
その姿を見守る俺達にフロントがおずおずと声をかける。
「あの…それではお部屋はどのようにいたしましょうか?」
「ツイン一部屋でお願いします」
さっきまでの心配そうな顔はどこへやら。
上杉はいつもの涼しげな笑顔でチェックインをはじめた……。
ん………ツイン?…一部屋?
2人っきり!!!!!
吉川が大変だって時に俺の頭は「2人っきり」という言葉がグルグル回り始めた。
そしてふと耳に入った上杉の呟き。
「ま…これは好都合か」
え?どういう事?!
き、聞き間違えかな……?
ははは……★

上杉は今日こそ俺との関係をはっきりさせるつもりなんだろうか?
上杉の後ろを歩きながら俺は妙に緊張していた。
何の変哲もない部屋に入る頃には背中に汗びっしょりだった。
冷房がガッチリ効いたホテルの中で。
「さて」
上杉がベッドに腰を下ろし流し目をこちらに向ける。
えと…これは……その……
俺の焦りを知ってか知らずか、上杉は緩く微笑んでこう言った。
「実は俺、義父からこっちの親戚の所に挨拶行くように言われてるんだ。これからちょっと出てくるよ。あんまり遅くならないと思うけど、待てなかったら晩飯済ませといて」
「……………うん」
なんだ…緊張して損した。
好都合ってのは門限とか吉川に設定されなくてすむとか、そうゆう事かな、きっと。
うん、今さら上杉も俺を焦ってどうこうしようなんて思わないよな。

俺はあからさまにホッとした顔をしてたんだろうか。
「それじゃ」
上杉は苦笑を残して部屋を出た。
その後ろ姿がドアの向こうに消えるのを確認してから俺は呟く。
「…やっぱり好都合だ」
俺も、この街でしたい事があったから。
すごく。
すごく迷ったけど。
でも整理をつけたいから。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

慣れない街の繁華街。
それでも待ち合わせスポットってヤツはわかりやすい場所に決まっている。
ソワソワと浮き足立った表情の女の子やキョロキョロと落ち着かない男達。
そんな期待感を滲ませた人の間をぬって俺はあまりありがたくない待ち合わせ相手の姿を探してた。
「おーーーい!上杉、こっちこっち!」
向こうが先に俺を見つけたようだ。
振り向くとニコニコと背の高い男が駆け寄ってくる。
「よぉ、ここすぐ分かったか?」
「ええ、大丈夫です。前田さん」
「…相変わらず敬語」
長めの髪をかきあげながら苦笑。
相変わらずなのはそっちだろう。
俺に執着するのも。
「人間そう変わるもんじゃない。あなたもそうでしょ?」
「でもずっと無視してたお前が急に会ってくれるなんて、俺にとっていい方に変わったって期待したいんだけどな」
「…立ち話じゃゆっくり話せない。どこか入りましょう。お酒はダメですからね」
そう。
今回の遠出、俺の目的の一つはこの男とスッパリ縁を切る事。
岡本ときちんと向かい合う為に。

前田さんは俺と昔付き合っていた男、自分としては苦い思い出しかないけれど。
岡本は俺と前田さんが付き合ってた事を知ってから、男同士ってのをリアルに意識するようになった気がする。
そして前田さんがまだ俺に執着してる事もたぶん気付いてる。
時々俺が着信を無視するのを物言いたげな目で見つめたりしてるから。
今のままじゃ岡本と関係を進めても前田さんの影を気にしてしまうだろう。
俺は余計なことは排除して岡本とちゃんと付き合いたい。
大丈夫。
この人の俺への執着はオモチャを他人に取られた子供みたいなものだって分かってるから。
誰にだって本気を見せない、本気なんかなれない人なんだから。

前田さんが俺を連れていったのはすぐ近くの喫茶店。
ほの暗い店内は座席の間にびっちり観葉植物が並べられていてB.G.Mのジャズのボリュームが妙に大きい。
奥の席に座りコーヒーを二つオーダーすると、前田さんは俺の手の甲に自分の手をすっと重ねて微笑んだ。
なるほど、下心丸出しのチョイスだな。
ぺしっ★
「…いってーなぁ」
「そういうつもりではないので」
「じゃーナニ?そっちから会いたいって言ってきたんだぜ?」
手の痛みにもめげずに、音の大きな店内で俺の耳元に口を近づける前田さん。
俺はことさら大きな声で、語尾をはっきりと発音した。
もちろん笑顔で。
「もう俺に一切構うなって言いに来たんです」
「…そんな事でわざわざ?お前が?」
「だってあなた無視や電話で釘刺すだけじゃめげないでしょ?直接会えば……」
体をすり寄せた瞬間前田さんがドキリとしたのが分かった。
「俺の携帯番号も消去できる」
ヤツの目の前に突きつけたのは今ポケットからすり取ったばかりの携帯。
目の前の男は頭を抱えて大仰に溜め息を吐いた。
「マジかよ……七夕に会いたいって言うから期待したのに」
「こっちに来るついでってだけです。相変わらずロマンチックな事が好きなんですね。それでどれだけの男をたぶらかしたんですか?」
「ひでーなぁ。俺今でもお前に惚れてんのに」
「たわ言はもう聞きませんよ」
そう言って携帯を開こうとした瞬間、俺の手の中で着信が鳴った。
仕方ないので携帯を差し出しかけたら前田さんはすごい勢いでひったくった。
「あ、悪い!ちょっと!」
慌てて小走りで入り口に向かう。
…どうせ今の男だろ。
こいつの誠意なんてそんなもんだ。
せっかくだからトドメを刺すのに利用させてもらおう。
俺は足音を忍ばせて前田さんの背後に近づいた。

「え?こっち来てんの?!」
この人がこんな明らかに焦った顔をするのは珍しい。
遊びに向かないタイプにでも手を出したか。
「…あー、その…今は…用事あって……」
面白い。
「え?ま、待ってるって?!でも…」
可笑しくって前田さんの肩越しに囁いてみた。
「いいじゃないですか、会ってあげれば。俺の用はすぐ終わるし」
ピクリと震える肩。
その瞬間携帯の画面が目に入った。
『岡本』
…………………え?
「なに?!なんでっ……岡本?!」
「ちょ!う、上杉っ!」
奪い取った携帯は既に切られていた。
指を動かすのももどかしく着信履歴を開く。
そこに表示された名前は確かに『岡本』
番号は俺が間違う筈のない彼のものだった。
「前田さん…なんで岡本があなたに電話してくるんですか?」
携帯を握りつぶしたい衝動と戦いながら目の前の男に尋ねる。
しかし相手は視線を泳がせたまま口を開かない。
「……どういう事か説明してもらいましょうか!」
胸ぐらを掴み思いっきり声にドスを効かせると前田さんは観念したように口を開き始めた。
滅多に声を荒げない俺のドス声はなかなか効果的なようだ。
「その……ゴールデンウイークに帰省した時…ちょっーーーと、お近づきに…」
そんな前から?!
「お近づきって、何したんですかっ!アンタっ!!」
「いや…アイツ経験なさそうだから……お前をどうゆう風にしたらいいか教えてあげようかと…」
余計なコトを!!!
「そしたら……なんか違う方向に効いちゃったみたいでさー…ははは…」
掴んだ手を思い切り振り下ろすと前田さんはあっけなく地面に転がった。
見下ろした目で、ドスの効いた声で宣告する。
「……岡本はどこで待ってるんですか?早く言ってください。言わないと……」「ははははいぃぃぃっ!」
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2009/07/27 Mon. 17:04 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS『12ヶ月』#6 rain,rain,rain, 

月毎に話を進めているオリジナルBLSSのシリーズでございます。
1月から始まって6月。
やっと半分ですね。
って、ホントに12回やるかも定かでないのにww

ま、そーゆーコトでBLの話なんでホモネタ苦手な方は回れ右してくださいまし★
読んでくださる方でお初の方はカテゴリーの『オリジナルSS』から探して順番にお読みください♪
今回の語りは上杉くんと岡本くん、交互で参りますよ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


屋根から滴る雫のように

それぞれの

心の中に

落ちる雨粒


○○○○○○○○○○○○○○○○○○


「岡本、どこまで進んだ?」
俺の声で隣にいた男がハッと顔を上げる。
「あっ……まだ…ここまで…」
バツが悪そうに差し出すノートを受け取る。
「ここ?どこ分かんない?」
「えっと…」
今日も俺は岡本と過ごしてる。
ちなみに今は放課後で、二人で図書館でお勉強中。
一応受験生だから好き好きばかりも言ってられない。
……言いたいけど。
眉をしかめながら参考書を眺める岡本の 横顔をそっと見つめる。
先月くらいから岡本は時々物思いにふけるような表情を見せる。
ちょっと…艶っぽいかも……と思うのは惚れた欲目か。
何を考えてそんな顔をするのか、訊くのは怖い。
でも…俺の事を考えてくれてたら……すごく嬉しいのに。

「君達ー、もう閉館時間よーーー!」
司書の先生が鍵束を鳴らしながら叫んでる。
「わ!もうこんな時間?」
慌てて鞄に広げていた荷物を押し込む。
玄関にたどり着くと昼前からの雨はまだ降り続いていた。
「あ…!」
岡本が小さく叫ぶ。
「どうしたの?」
「傘…持ってきてなかった……」
「朝降ってなくてもこの時期なんだから持ち歩かないと。とりあえず俺の傘に入っていけば?」
俺はさも親切そうに自分の傘を取り出した。
内心相合い傘に浮かれていたのは悟られないように気をつけて。
「ウチまで来たら傘貸すよ」
そう言った瞬間。
するり。
手から傘の柄が滑り落ち。
べきべきべき★
……玄関前に落ちた傘の上を一台の車が通り過ぎた。
「おー、どうした?お前ら」
英語の坂下が車の窓からのっそりと顔を出す。
「先生……傘……」
「ん?コレお前のか?悪い悪い。そんじゃコンビニ傘でも買ってけ」
坂下は500円玉を俺に向かって放り投げてそう言うとさっさと車を発進させて行ってしまった……

「……コンビニ傘って……」
思わず大きな溜め息がでる。
学校からコンビニまではたっぷり1km以上。
それなら。
「……諦めて濡れて帰るか」
俺のウチの方が近い。
「あ!岡本どうする?ウチにならまだ傘あるけど」
岡本はほんの少し何か考えたような顔をして。
「…じゃあ、上杉んトコで傘貸して」
何故か視線をそらしながらそう言った。

できるだけ濡れないように軒下から軒下へ走るように進む。
「…なあ」
「なに?」
足元で雨水をはねらせながら岡本が話しかけてきた。
「上杉って一人暮らしなんだよな?実家って遠いの?」
「あぁ…実家は市内なんだけどね」
「?」
「俺のウチちょっとめんどくさいというか。俺本当の父親っていなくて、俺連れて再婚した母親も事故で死んじゃって。義理の父親が今度は若い嫁さん連れてきたんで居づらくってね」
横断歩道を走りながら一気に話す。
別にどうって事はない。
不幸とかじゃなくて単なる事実だ。
振り向くと髪から雨を滴らせた岡本が淡々とした表情で呟いた。
「そっか、苦労してんだな。お前」
「別に苦労ってワケじゃないよ。幸いお金のある人でマンションも用意してくれたし」
「うん、でも頑張ったんだな」
今度は薄く微笑んだ。
俺の身の上話をすると大抵の人間は大げさに悲劇の主人公扱いした。
そして一部の人間は陰で揶揄して。
でも岡本は過剰でも貶めるでもない、真っ直ぐな言葉を俺に与えてくれる。
……やっぱり………好きだ、と思う。


雨のせいでいつもより少し口数が少ない俺達は、やがてウチのマンションに辿り着いた。
エレベーターは遅いんで階段で一気に3階に上がって。
俺は急ぎ気味にドアに鍵を押し込む。
「待ってて、今傘貸すから。あ!タオルも持ってくる」
喋りながら振り向くと、岡本は口元に力を入れて俯いていた。
「…なに?」
「あ、あのさ」
「うん?」
「……上がってもいい?」
岡本の頬が染まる。「う、うん…どうぞ」
俺の声が上擦る。



「岡本、はいタオル」
「ん…ありがと」
部屋に入ってまずすることは、ずぶ濡れの自分達をどうにかすること。
付き合うとゆうか、一緒に過ごすようになって半年近いけど岡本を家に上げるのは初めてだ。
……男を家に上げるなんて今までいくらでもしてきた事なのに、妙に緊張する。
「あ、あの、そのままだったら風邪ひくから…シャワー入れば?」
「ありがと…」
「着替え、俺の服で良かったら適当に貸すから」
「うん」
手近に積んであった服を渡すと、岡本はバスタオルを被ったまま風呂場に向かった。
その後ろ姿がドアの向こうに消えてから、俺は溜め息を一つ吐いた。
俺はちゃんとさりげない言い方ができただろうか?
下心が滲み出ていなかったか?
そう、俺は下心を抑えるのに結構必死だ。
今まで付き合ってきた相手は俺と同じ下心を隠さない奴ばかりだった。
岡本は違う。
おそらくセクシャルな経験に乏しい岡本を、怖がらせる事だけはしたくない。
たぶんそれがこの緊張の理由。
……岡本は何を考えて此処に来たのだろうか。


○○○○○○○○○○○○○○○○○○


シャワーを浴びたら雨にじっとりとした体は落ち着いた。
上杉の服は俺には少し大きくて、綿パンの裾を折ってから脱衣室を出る。
上杉は俺が風呂場に向かった時と同じ格好で、タオルで頭を押さえたまま座っていた。
「シャワーさんきゅ」
俺の声にハッとして顔を上げる。
「あ…ああ」
「お前も入ったら?いつまでもそんなカッコしてないで」
「そうだな…」
目を伏せて微笑んで、上杉は風呂場に入った。


一人になった部屋の中で周りを見渡す。
特別キレイでも汚くもない、いかにも一人暮らしの風情の普通の部屋。
本が多いのは上杉らしい。
……この部屋に、あの人がいたんだ。
恋人同士としていたんだ。
前田さんが。
少し開いたドアの向こうに見えるベッドに胸がざわつく。

俺はあの日から。
前田さんにキスとかそれ以上の事されてから、変なんだ。
気がつくと上杉と前田さんが抱き合う姿を想像してしまう。その想像は日増しに変化して。
………抱かれているのが俺の顔に代わったりして、ゾッとすると同時に混乱するんだ。
あの時、気持ちいいと思ってしまった自分が蘇ってきて。

俺はどうしたいんだろう?
何を求めているんだろう。
上杉と過ごすのは心地良いし、好きなんだと思う。
でも。
『お前抱かれる方が向いてるかもな』
前田さんの声を頭の中で繰り返す。
あの人の言うように俺は抱かれたいのだとしたら……抱かれる側の上杉と一緒にいていいのだろうか?
ここに来れば何か答えが見つかるかもしれない。
そう思ったのだけれど。
さっきから感じるのは胸の奥の妙な居心地の悪さ。
…嫉妬かもしれない。
でも、誰に対して?
上杉を抱く前田さん?
前田さんに抱かれる上杉?
さっきの上杉と同じように俺は身じろぎもしないで座っていた。

その時。
机の上の上杉の携帯が鳴りだした。
電話の着信。
俺はいつもは他人の携帯なんて見ない。
興味ない。
でも。
なんだか予感があったのかもしれない。
この時は。

鳴り続ける携帯を開く。
名前の出ない、番号だけの着信画面。
俺は確信めいた動作で通話ボタンを押した。
「もしもし」
『…え!』
出たことに驚いてる相手、聞き覚えのある声。
『上杉……じゃないのか?その声』
「上杉は風呂に入ってる」
『もしかして岡本?ははっ、珍しく電話に出てくれたと思ったらお前か』
「いつもかけてるの?前田さん」
『今度は名前覚えてくれたのか。……いつもつーか…たまに、な。言ったろ?俺はあいつに未練があるって。安心しろ。メモリ消されたのか出てくれた事なんてねーよ。カッコ悪いだろ?』
「そんなことない!」
思わず叫んでいた。
慌ててシャワーの音が途切れていないのを確認する。
「そんなことないよ……」
そう言いながら。
なんだか胸が痛くて、痛くて。
それ以上何も言えなかった。
『お前…なんか可愛くなった?』
からかうような口調の前田さんに返事をしないでいたら、彼は軽く咳払いして次の言葉を続けた。
『邪魔して悪かったな。じゃーな』
「あ、あの!」
つい慌てた声が出る。
『ん?』
「お、俺…前田さんとまた話したい…」
『浮気か?やるな、がきんちょ』
笑い声と共に切られる電話。
俺は自分の携帯を取り出して、着信履歴に残ったその番号を転送した。
上杉の携帯の着信履歴は消して。


○○○○○○○○○○○○○○○○○○


考え事をしていると無駄にシャワーの時間が長くなる。
岡本がどんなつもりでここに来たか、そんなの分からないけど俺に好意を持ってくれてる事は確かだ。
俺がゲイで、そういう意味で岡本を好きだと伝わっている事も。
俺が怖がってもしょうがない。
岡本の反応を見ながら探っていくしかない。
覚悟を決めると一層高まる緊張。
自宅の風呂場から出るのにこんなに緊張するなんて……
思わず苦笑いがもれる。
「ごめん、待った?」
ドアを開けて、できるだけさりげない感じで言ったつもりの言葉に岡本の背中が大きくビクついた。
「あ……いや…」
振り向かないまま、落ち着かない動作で鞄を引き寄せる。
「岡本?」
「あ、シャワーに着替え…ありがと。あの……俺…じゃ!帰るから!」
「…え?!」
「ごめん!母さんに今日は早く帰れって言われたの忘れてた!」
「そ、そうなんだ?」
「服、洗濯してから返すから!」
俺が呆然としてる間に岡本はドタバタと玄関のドアノブに手をかけていた。
チラリと振り向いた時、真っ赤に染まった頬を俺の目に焼き付けて。



「えーと…」
一人ベッドに寝ころんで天井を睨みつける。
まずは情報を整理しよう。
「俺は岡本が好き」
「岡本は俺が好き」
これは確定事項。
…のはず。
「俺は岡本に触りたい、色んな事したい」
好きだったら当たり前だろう?
「岡本は俺とそういう関係になろうと……してない」
それは何故か。
1.俺が嫌い
2.俺が岡本をそういう対象として見てる事を知らない

……それはないな。
じゃあ後は…

「やっぱり……男同士って……怖いのかな……違う世界とか………」
うん、きっとそう。
今日も土壇場で怖くなっちゃったんだろうな。
「…岡本ってやらしい事考えたりしないのかな」
仕方ない。
俺はゆっくり……岡本がその気になるのを待つから……

気を張っていたのか、急に目蓋が重くなって俺は眠りに引きずりこまれる。
どうか大好きな岡本が俺に優しくしてくれる夢を見れますように。
大好きな………


○○○○○○○○○○○○○○○○○○


「俺…不自然だったかな…」
足元を雨がはねる。
上杉から借りた綿パンの裾が濡れる。

上杉は…期待したのかな。
俺だって好きあってる同士二人っきりになったらそういうもんだって分かってる。
でも。
どうしていいか分からないんだ。
どうしたいかも。
上杉に、そして前田さんに。

雨が肩先に、足元に、染み込むように。
重く淀んでいる雨雲のように。
俺の気持ちも何かに絡みとられているんだ。
きっと。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何故か三角関係の様相にww
なんか…意外と長かった……(汗;
携帯のメールフォーム限度いっぱいになりそうな勢いですよ★
(そう、これは携帯で書いてます♪)
(ある意味携帯小説ww)
読んでくださった方、お疲れ様でした!
二人の思惑のズレをニヤリと楽しんでいただけたら幸いですww
つか上杉って「頭いいバカ」な気がしてきた(笑)

半年間進展のない彼らですが、7月には展開があります!
…たぶんww
では次回も読んでもらえますように♪

2009/06/01 Mon. 01:22 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS『12ヶ月』#5 コイノヤマイ 

12回やる予定だけど何の構想もまとまっていない、行き当たりばったりのオリジナルBLシリーズww
今回はなんとこのシリーズ初のエロシーン付きですってよ!←(何その他人事口調★)
年齢制限の設定には迷いますが、ホモとエロに免疫のある方のみお読みください。
初めてこのシリーズを読む方はカテゴリーの『オリジナルSS』から探して第1話から順にドーゾ♪

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「……もと………もと…」
………ん?
「岡本…」
なんか…誰か……俺を呼んでる………?
「岡本っ!!」
「え?!うわ★上杉っ!なななに?でっかい声だして」
「いくら呼んでも返事しないからだろ。どうしたんだよ?ボーっとして。GW明けから変だよ、岡本」
「そ、そう?」
我にかえるとここは昼休みの屋上。
隣に座る上杉が眉を寄せて目を伏せた。
「もしかして……進学コースのこと、後悔してる?」
「………へ?」
思いもよらない言葉に目がばしばししてしまう。
「俺に合わせてくれたけど、本当は違うのにすれば良かったとか……」
「ち、違う!!そんなんじゃないって!」
真剣な顔をしたコイツを納得させるのは骨が折れる。
「ほ、ほら。5月病?てゆうか。俺GW中ずっと昼夜逆転してたからさ、時差ボケかなーー?とか」
「……本当?それだけ?」
「うんうん!」
「…ならいいんだ」
上杉が力を抜いてホンワリと笑う。
俺も一緒にへへっと笑ってみたけれど………
自分で分かってる。
俺が最近おかしいのはそんな理由じゃないって。
そう、あれはーーーーー


あれはGWも最終日の5月6日。
俺は何気なく近所のコンビニに行ったんだ。
「あ、このジャンプまだ読んでなかった」
雑誌コーナーの前でそう思って手を伸ばしたら、同時に伸びてきた手があって。
お互い顔を見合わせたら。
………………………
こいつ!確か上杉と付き合ってた…!!!
「……へー、偶然」
「そ、そうですね!」
…なんだよ、ヘラッとしやがって★
俺はさっさと雑誌コーナーを離れて当初の目的だったアクエリやらコーラやらを抱えてレジに急いだ。
そいつも雑誌を2~3冊とガムを持ってレジに並んで、結局俺のすぐ後でコンビニから出やがった。

てくてくてく。
てくてくてく。
てくてくてく。

「~~~~~~~どこまで付いてくんですかっ!!!アンタはっ!」
「…だって俺んちこっち。帰省中なんで」
「へ?」
「3丁目26番地」
…開いた口が塞がらない。
「…同じ町内?」
「うん、それから俺はアンタじゃなくて前田だから」
「あー、さいですか…」

てくてくてく。
てくてくてく。
てくてくてく。

「…………………」
気まずさに耐えながら黙々と歩く俺の背中に、前田さんとやらは軽く言い放つ。
「やー、こんな狭い範囲にホモって集まるもんなんだね!」
「俺はちげーよ!!!」
反射的に怒鳴ると前田さんが急に声のトーンを落とした。
「………お前ら…まだヤってないんだ?」
な、なんだよ!何でそんな気の毒そうな顔すんだよ!!
「ちょっと…話さない?」
「お俺は別に話すことなんか…」
「コーヒー奢るから。ケーキもつける?」
………うっかりついて行ってしまったのは別に奢りに釣られたワケじゃないんだ!
たぶん………★


ちょっと歩く距離にある表通りのカフェに入った。
もちろんオープンテラスなんかじゃなくて目立たない奥の席を選んで。
前田さんは俺が散々悩んでケーキを決めるとすかさずおねーさんを呼んでオーダーした。
その言い方とか仕草がなんかスマートで。
……自分と全く違う人種に思えた。
いっこしか違わないのに…
そんな事ボンヤリ考えてると前田さんが喋り出した。
「お前さ、俺の事全然知らないみたいだけど、俺はお前の顔と名前くらい知ってたぜ」
「……え?」
「だって小学校の時集団下校で同じ班だったじゃん。岡本あの頃から人の言うこときかないガキだったよな」
「あははははは★」
そっか…同じ町内……俺ってば!!
「だから上杉からお前を好きだって聞かされた時はなんであんなガキを、って思ったんだぜ?」
苦笑いが止まった。
「お待たせしましたあ。ケーキセットのお客様は…」
「あ、はい」
おねーさんが手際よくテーブルの上を埋めていく。
「ご注文の品以上でお揃いですか?ごゆっくりどうぞ」
前田さんはおねーさんに軽く頷いてから言葉を続けた。
俺は生クリームののったチョコレートケーキをおずおずとほおばりはじめる。
「卒業式の時こいつらまだだなーって思ったけど、まだ進展なかったとはな。デートとかしないの?」
「俺らだって、デ、デートしたよ!」
ついついムキになったけど。
「へえ?どんな?」
「………えと。こないだは」
上杉が『映画行かないか?岡本が見たいって言ってたのタダ券もらったんだ』って誘われて。
待ち合わせてアクション映画見て。
終わったらラーメン食べて。
その後本屋寄って参考書選んでもらって……
「…そんだけ?」
「そ、そんだけって」
「それフツーの男友達と出かけるのとドコ違うの?」
う………確かに★
……別れ際は上杉が照れくさそうに微笑んで軽く手を握っただけ。
俺はその顔を見てキスしないのかな、と思ったけど。
卒業式以来あまりベタベタしなくなった上杉はそれ以上触ってこなくて……
俺から何かするとかできなくて……
何も言えなくなった俺はフォークをくわえたまま俯いてしまった。
何か言いたげな前田さんの視線が俺に突き刺さる。

と、その時。
「え?!」
前田さんがいきなり俺の腕を掴んできた。
「お前ちょっとこっちこい」
「な、なんすか?」
引きずられるように連れてこられたのは男子トイレ。
ワケが分からなくて目を丸くしてる俺の顔を前田さんがじっと見てる。
「えと…あの……何を…」
「クリーム、ついてる」
前田さんはそういうと俺の口の横をペロリと舐めあげた!!!
驚く間もなく唇が塞がれ舌が入り込んでくる。
突き飛ばそうとする前に腕は絡みとられていた。
「ん……ふ…うっ……」
「…あま」
舌をねちっこく絡ませあう。
腰を手が這い回る。
前に上杉に同じようなコトされたけど……なんか………違う…っ!
怖い。
ゾクゾクする。
なのに力が抜けて逃げられない。
足がガクガクと震える。
「あ、あ、あ、や……」
「感度いいんだ」
俺のTシャツの胸がはだけられヤツが乳首を舐めまわす。
イヤなのに。
イヤなのに……体が言うことをきかない。
勝手に熱を帯びてくる。
ヤツの手が位置を変えた。
「!そ、そんなトコ…!はな、離して…」
「静かにしろよ。感じてんだろ?ほら」
耳を舐められ甘咬みされて。
初めて人に触られた俺のモノは更に立ち上がる。
ヤツの手がくちゅくちゅと動き出した。
「や…め……あ…あ…」
頭がおかしくなりそうだ。
自分が涙目になってるのが分かる。
「だ…だめ……出る…」
「出しちまえよ」
その手は動き続け。
俺は初めて人前で白い液を散らした。


……やっと前田さんが手を離した。
俺はぐったりと洗面台に寄りかかる。
「……なんで?」
それはこの人と自分への疑問。
好きでもないのに。
「…あいつと俺はこうゆう事してたんだよ」
上杉…と……
「俺はあいつに未練あるけど、その気のない奴をどうこうしようとは思ってねえよ。でもな…」
前田さんはすごく優しい手で俺の髪をくしゃりと撫でて言った。
「あいつが…欲しいもん与えてもらえないなんて……可哀想だろ」

涙が零れそうになった。
この人がこんなにも上杉を好きな事に。
そして俺の上杉への想いがこの人にかなわない事に。

「落ち着いたら出な。会計済ましとくから」
前田さんはそう言ってドアを開いた。
そして振り向きざまに呟いた。
「お前、抱かれる方が向いてるかもな」
………え?それって……
パタン。
そうして。
前田さんは俺の視界から消えた。





あれ以来。
上杉を見るとあの人が上杉を抱いているのが頭に浮かんでくるんだ。
何も出来ずに眺めてる俺の姿も。
どうしようもなく。

「岡本?」
「あ?え?」
「またぼうっとしてる」
優しく笑う上杉。
そんな時でも俺は上杉の顔があの時どんな風に歪むのか想像してしまう。
「次移動教室だから早く行こう」
びくり。
立ち上がった上杉が俺の肩に手をかけた。
それだけでやましい事を考えていた俺の顔は赤くなる。
「…やっぱり変だな、岡本。熱でもある?」
額に手をのばそうとする上杉から慌てて離れる。
「だっ大丈夫!!ほら、なんか暑くなってきたからっ!」
「…そう?」

そう。
これはたぶん。

-ーーコイノヤマイ-ーー


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


初めてのエロシーンだってのに主人公カプじゃないとは★
そういや恋人同士じゃないエロって書くの初めてだな……

今回書いてて、何故この二人の関係が進展しないのか分かりました。
二人とも受けくさい!!!(笑)
受×受をどうまとめるか……
いっそ岡本に前田さんを追いかけさせるとかww
体から始まる関係とかもありか…?
って、そしたら上杉どうなるのよ!

と、書いてる本人もどうなるか分からないこのシリーズ。
良かったら次も読んでやってください♪
次は6月…梅雨っちゅー事で雨絡みの話かな?
ちなみに今回は岡本が前田さんに襲われた5月6日から書き始めて今日書き上がりました(笑)

2009/05/10 Sun. 07:03 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS『12ヶ月』#4 4月のバカ 

そういやしばらくSS書いてないなーと思いまして。
リハビリにオリジナルSSシリーズの続きやってみる事にしました。
放置してる間にどんなキャラだったか忘れたので以前書いたのを読み直したりしてww

前回までは岡本くんの語りでしたが、今回の語り手は上杉くん。
BLですがエロはなしww
初めて読む方はカテゴリーの「オリジナルSS」から探して第1話から順番にお読みくださいませ♪


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「……いい天気だな」
勉強も煮詰まってきて、気分転換に部屋の掃除でもしようと窓を開けると青空が目の前に広がった。
今日から4月。
バイトもしない、恋人もいない春休みは長くて持て余してしまう。
恋人………にしたい男はいるのだけど。
岡本の顔をボンヤリと思い浮かべる。
らしくないくらい臆病になってると自分でも思う。
それは今まで付き合ってきた男達とはタイプが違いすぎるから?
それとも………


不意に机の上の携帯が震えた。
着信画面を確認した途端気持ちがはずむのが分かる。
はやる気持ちを悟られないように努めて冷静な声を作る。
「…岡本?」
『よぉ、久しぶり。まだ生きてたか?』
「…勝手に殺すなよ。珍しいな、そっちからかけてくるなんて。今春期講習だろ?」
『うん…あのさ、言っておこうと思う事あって』
ドキン。
「なんだよ?改まって」
何を言われるのか、期待と恐怖がないまぜになる。
心臓の存在をこんなに意識したことはない。
『俺さ、志望私立文系で出してたんだ』
え……?
「それって…」
頭の中が真っ白になる。
3学期に俺が国立理系を志望すると言った時、岡本はすぐに自分もそうすると言ってくれた。
それなのに……
『俺、お前みたいに頭良くないしさー』
「で、でも今の成績より少し上がれば問題ないし…そのために春期講習行くって……」
声が上擦る。
『ごめん。春期講習……行ってないんだ』
岡本は俺と離れようとしてるのか?
いつか道が分かれるのは覚悟してた。
でもそれはもっと先だと思っていたのに………
一緒にいるための努力をしてくれてると思っていたのに!

責めたくて、でもそんな権利が自分にあるはずない事も分かっていて。
口を開いても言葉が出てこない。
岡本も黙り込む。
その時、岡本の後ろをざわざわと人が通り過ぎる気配が聞こえた。
『あ、岡本ーーー!午後は数学からだったよな?課題終わった?』
………………………………………………
「…誰が講習に行ってないって?」
『あはははははは★やっぱ聞こえたか?』
今頃になって今日が4月1日である事を思い出した★
『なあ、焦った?怒った?』
「…呆れた」
『うっそ?!怒ってるんだろ?』
「怒ってない」
岡本はたまに俺の気持ちを試すような事を言う。
それは俺への好意からだと信じたい。
今日の嘘も。
………そうだな。
俺も4月1日の嘘をついてみようか。
「岡本とコースが分かれても何てことない」
『嘘!焦ってたクセに!』
「本当だよ。岡本の事信じてるから」
『ええ~~~?★』
信じてなんかいない。
元々ノン気の岡本の気持ちが自分に向かっているのか、不安でたまらない。
だからこれは岡本と、自分への嘘。
無条件に岡本が俺を好きになってくれると信じられたら………
そんな、願望を込めて。
『ま、いいや。じゃー俺も頑張っちゃってるんで多分次も同じクラスになれると思うから。またな』
「うん、またな」


『またな』
そんなありふれた言葉が宝物のように思える。
今まで岡本の声が聞こえていた携帯がとても愛おしく感じる。
ねえ。
俺が想ってる何分の一くらい岡本は俺を想ってくれてる?

「……バカは俺か」
苦笑いを一つ。
そして俺は緑の香りを含んだ風を吸いこんで、窓を閉めた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

なんか半端な終わり方★
うん…まあ……リハビリだからネ!(苦笑)←(開き直るな★)

じれったい二人にイライラする方もいらっしゃるかもしれませんが、この二人はゆっくりと進めてあげたいんです。
何しろ一年計画だから(笑)

さあ次は5月か。
……5月病とか?ww
GWネタはやんないですよ!
私はGW働いたんだから、こいつらだけ遊ばせてなんかやるもんか!!←(ちょ★)

2009/05/04 Mon. 21:14 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

cm 2  tb 0 

オリジナルSS:「12ヶ月」#3 サクラサク サクラチル 

季節行事がテーマのこのオリジナルSS「12ヶ月」
今回は3月、卒業式です♪
12回やるのかは自分でも不明★)
BLですがエロはないので安心(?)してお読みくださいww
初めて読む方はカテゴリーのオリジナルSSからお探しください。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


サクラサク

サクラチル

別れの季節を彩るように

はらはらと




ーーーーー卒業式。

でもま。
俺には関係ないけど。
まだ2年だし別に仲のいい3年もいないし。
俺にとっては堅苦しくてちょっと早く帰れるってだけの日。

何故だかいつもより早めに学校に着いてしまった俺は自分の席でボンヤリとそんなコトを考えてた。
そんな時。
まだ人影もまばらな教室に声が響いたんだ。
「上杉ーーいるかーーー?」
よく通るバリトンの声。
胸につけた造花のバラ…3年生か。
俺は主のいない席をチラリと見てから入り口に向かい返事した。
「上杉まだ来てないっすけど」
「…そう」
その3年生は俺に気がつくと、何か言いたげな目で俺を見つめた。
「…なんすか?」
「上杉の隣ってお前?」
「そうっすけど」
「ふーーーーーん」
なんだよ?何が言いたいんだよ。
「んじゃ、コレ上杉に渡しといて」
その3年生はポケットから小さな封筒を出して俺の手のひらに乗せた。
「?」
「渡せばわかるから」
そして、そいつは俺達の教室から離れていった。

……何なんだろう?
封筒の中には硬い感触。
窓に向かって透かしてみようとして、慌てて手を引っ込めた。
……何やってんだ、俺!
人の預かり物なのに!
「岡本おはよ。早いな」
背中にかかる声にギクリとする。
「…上杉」
「どうかした?」
挙動不審だったのか、ヤツはちょっと首を傾げた。
俺はさっき預かった封筒をさり気ないフリして上杉の顔に突きつける。
「…なに?」
「さっきお前に渡してくれって頼まれた。3年の……あ、そういやバスケ部の人だったかな?背のこーんな高くて髪長めの……渡せばわかるって」
その時上杉の表情が曇った。
俺にもわかるくらい。
「そいつ……お前に何か言った?」
「いや…?別に」
「そうか……」
黙り込んだ上杉に何か聞いてみたくて、でも何を聞きたいのかもわからなくて。
この空気を持て余している内に担任が扉を開けて叫んだ。
「お前らー!そろそろ講堂に並ぶぞー!!」


卒業式は予想通り退屈で。
お約束のように涙ぐむ女子とかムダに熱い答辞とかもあったけど。
そんなものより俺は上杉の無表情を通り越した硬い顔がずっと気になっていた。


講堂での式が終わると在校生は卒業生を見送るために校庭に散らばる。
俺達も人の流れに押されてなんとなくそこに佇んでいた。
「なぁ…教室戻ろう?」
居心地が悪そうに上杉が俺に言う。
「なんで?まだ玄関混んでるだろ?逆方向なんて行けねーよ」
返事をしながら。
上杉をこんな落ち着かなくさせているのはあの3年生だろうか…そんな考えが棘のように胸に刺さっているのを感じてた。
「よぉ」
声の方を振り返る。
すると、小さめの花束を3つくらい抱えた当人がこちらに向かって歩いてきてた。
睨みつける上杉ではなく俺の方に。
「卒業オメデトウゴザイマス」
くくっと喉の奥で笑われた。
「そんな棒読みで言わなくていいって。あのさ……さっきの、こいつから貰った?」
キョトンとする俺。
指を指され一歩踏み出す上杉。
そして、そいつは俺の耳元に囁いた。
「上手いだろ?こいつ。俺が仕込んだんだから」
「……てめぇ!」
上杉が声を荒げる。
いくら奥手で鈍感な俺でもその言葉の意味は分かった。
薄笑いするそいつと激昂する上杉。
二人がどういう関係なのか。
……なんで俺がそんなこと聞かされなきゃいけないんだ?
なんで……こんなに胸がムカムカするんだ?
そして上杉と……俺って、何なんだろう………

俺が拳を握りしめた時、上杉の腕もそいつに向かおうとしてた。
でも。
「おっと、こんなトコで騒ぎ起こしていいのか?」
その言葉に上杉は拳を止めて。
顔を歪ませたまま校舎に向かって走っていった。
「上杉っ…!」
俺が追っていいんだろうか?
なんだか中途半端な呼び声と体の向きで迷っていると、そいつが俺に言った。
「ごめんな」
すごく。
すごく寂しい笑顔で。
そして俺の背中を軽く押したんだ。


上杉は校舎裏にうずくまるようにしゃがみ込んでいた。
俺も隣に腰を降ろす。
「お前……あの人と付き合ってたのか」
暫くの沈黙の後、おそるおそる口を開く。
「…半年前に終わってる」
俺に告るより結構前か…
「あの人、お前のことまだ好きなんだと思う」
「そうかな……でもダメなんだ。あの人は俺と同じだから」
「同じ?」
「他人に自分の表面しか見せられなくて踏み込ませない。近づく人間を不安にさせる」
「…!お前はそんなんじゃ…」
「俺とあの人はそうだったんだよ。だから一緒にいてもずっと苦しかった」
上杉の目はなんだか遠くを見ていた。
「そのうち岡本が好きって自覚して…別れてくれって言ったら卒業までコレ預かるって言われた」
「俺のせいかよ?って、それ……」
「俺の部屋の鍵」
上杉がゆっくりと手を開くと、ぐしゃぐしゃの封筒が破れて銀色の鍵がはみ出していた。
「わかんねーよ……なんでそんな関係の人と別れて俺なんだよ。キスしかしてないのに」
「岡本は、まっすぐだから」
驚いて上杉を見ると、正面から目があった。
「まっすぐで……俺の中でただ一つの暖かいものなんだ」
俺は何も言えなかった。
でも心の中で違うと叫んでた。
「大切で……壊したくない」
俺はそんな純粋なヤツじゃない。
あいつとお前がそんなコトしてたのかと思ったら胸が灼けてくる。
そのくせお前が俺に求めないのを安心してるんだ。
知らない振りして。
「お前の嫌がることはしたくない」
俺は…ズルいだけだ……
「お前が…好きなんだ……」
愛の告白が胸に痛い。
「……あの人のこと、好きだったんだろ?」
「うん…好きだった……でも!今は岡本が本当に大切だから!」
ほら、俺はズルい。
こんな確かめるような事を言って、必死に答える上杉を見て安心するんだ。
…あの人もそうなんだろうな。
上杉がすぐ俺に鍵を渡したりしないのを分かっていて、あんな事言ったんだろう。
好きな人の中に自分の存在を刻み込むために。

なんだか泣きたくてでも涙が出なくて。
そんな時、上杉の髪についた桜の花びらに気づいた。
「岡本?」
俺は上杉の頭を抱きしめていた。
いつの間にか俺にとって特別になった男を。
そしてその存在が自分の傍にある事を確かめる。


桜の季節の別れは

俺に上杉を残してくれた

ほろ苦い想いと共に


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

なんなんだ。
この1、2話とうって変わった桜餅の葉っぱのようなしょっぱさは★
まぁ、恋をすると内省的になるよネ!ってコトで勘弁してくださいww
こんな文章でも携帯でチマチマ打って一週間近くかかったんで★
次回はもちっと明るい話にしたいと思います。
次回があればですケドww

ところで。
なんとなく桜のイメージで書いちゃいましたが、コレ地域設定はどこなんでしょね?
2月があんなに寒いのに卒業式で桜が散ってるってww
ちなみに北海道で桜は5月なので、北海道でないコトは確実(笑)

2009/02/04 Wed. 19:35 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS:「12ヶ月」#2 ショコラなきもち 

こないだ思いつきで書いたSS『好き好き大嫌い』の続編を書いてしまいました★
もちろんBLなので苦手な方は避難してください!
R指定は今回もナシww



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「岡本…好き…」
俺の耳元で囁いてる男は同じクラスで隣の席の上杉。
恥ずかしい台詞に俺が黙って赤面しているとヤツの顔が近づいてきた。
腰に回される腕。
俺の唇を啄むように動く口。
「んっ……ん……」
呼吸を止めているのが苦しくて思わず声が漏れる。
その時。
俺の唇を何か温かいものがスルリと割って入ってきた。
ちゅく…ちゅく…ぴちゃ……
え………?コレって……コレって………!!
「!!!!!」
どんっ!!
「な…っ!何しやがる!!」
「何って…キス」
「ししし舌なんか入れやがって!俺達男同士なんだぞ!」
狼狽する俺に上杉はちょっぴり笑いながら言う。
「男女でも男同士でもするこた同じだよ」
更に言葉が続く。
「気持ち良くなかった?」
なんだかその目が妙に艶めかしくて。
「わ…悪かったな!どーせ女相手でも経験ねーよ!」
カッとなった俺は捨て台詞を残して放課後の校舎裏から駆け出した。

くそう……上杉のヤツ、どうせ俺は年齢イコール彼女いない歴だよ!!!
不意に上杉の声が頭の中に響いてくる。

『男女でも男同士でもするこた同じだよ』

同じ……………
ってコトは………キスの先も……………?

……………………………………………………………

頭がグルグルしてくる。
ああダメだダメだ!!
経験の無い俺にはイメージなんてできやしない★
そもそも……
俺達…付き合ってるって言うのかなぁ?
上杉は時々甘ったるい声で俺に『好き』って言うけど。
クラスの中ではフツーの態度だし。
いや、男同士で人前でベタベタされても困るけど!
それに……あの余裕タップリの顔を見てると「もしかしてからかわれてるんじゃないか」って思いも捨てきれない。
アイツから見たら俺なんてガキなんだろうなぁ……
同じ年なのになぁ……

足を止めた俺は上杉が触れた唇を指でなぞっていた。
アイツの感触を思い出しながら。

その時。
女の子達の歓声が耳に飛び込んできた。
「きゃあ!あれ美味しそ~~~!!」
「何よお?プレゼントにするんでしょ?」
「ん~、でも自分でも食べたぁい♪」
振り返るとお菓子屋のショーウィンドウの前で騒いでる女の子達。
ああ…そっか…もうすぐバレンタインか……
上杉ってチョコ好きかなぁ……
「!!!」
自分の頭に浮かんだ考えにギョッとする★
いい今おお俺なにを……!?

「あれー?岡本くん?」
頭を抱えてしゃがみこんでると背中に声をかけられた。
振り向くとそこにいたのは同じクラスで上杉と反対側の隣の席の女子。
「佐久間さん」
「赤い顔して何見てんのー?あ、岡本くんもチョコ欲しいんだ?」
俺は慌てて高速で首を振る。
「いっいや!そんなんじゃ!全然!!」
…冷や汗が流れてくる。
「だいたい俺モテないしさー。ははは」
照れくさくて目をそらしたら佐久間さんが俺の顔を覗き込んできた。
「そんなコトないと思うけどな」
「…え」
そして彼女はイタズラっぽい声で提案する。
「ね、あたしがあげようか?チョコ」


翌日。
「おはよ」
教室に入り自分の席に着くと右側から声がかかる。
ニッコリと笑った上杉。
「……はよ」
「昨日は悪かったな」
ちっとも悪いと思ってなさそうな余裕の顔で言われても俺の気分は晴れない。
「別に…」
「なぁ、岡本今日ヒマ…」
「岡本くーん!おはよーーーーー♪」
今度は左側から声。
「佐久間さん」
「ねぇねぇ、岡本くんはどれがいいと思う?」
雑誌のバレンタイン特集のページを開いてすり寄ってくる彼女。
背中に上杉の視線を感じる。
「えー、そうだなぁ。俺はコレなんか…」
「そう?!コレとかどう?」
うあーーー★見てる見てる!上杉のヤツ!
でも…ここは敢えてスルー。
だってさ…俺ばっかアイツに振り回されるのって……悔しいじゃん………
「ね?岡本くん?」
「あ?ああ!うん!」



それから俺と佐久間さんは度々話すようになったけど、上杉はめったに声をかけてこなくなった。
俺をいじるのに飽きたのかな…
……きっと元に戻っただけなんだ。
なんでもない、ただのクラスメートなんだから………


日々は過ぎて。
2月14日、放課後。

「さびぃ……」
俺は一人、佐久間さんからもらったチョコが入ったカバンをぶら下げて肩をすくめながら駅への道を歩く。
バレンタインなんて日のせいか寒さのせいか、いつもよりくっついて歩くカップルが多いような……チクショー★
寒さをこらえながら足を進めていく。
そこの角を曲がると駅前と住宅街の分かれ道だ。
すると。
そこにはマフラーに顔を埋めるように立ってる男がいた。
なんだか厳しい顔をして。
「…上杉」
「一人?」
「うん…」
上杉の表情が少し緩む。
「ちょっと、付き合ってくれる?」
住宅街側の道を指差すヤツに俺は黙って頷いた。


7分後。
俺達は公園のベンチに座ってた。
普段は近所の子供とかいるんだろうけど今日の寒さではほとんど人影もない。
木々に囲まれたこのベンチにいる俺達は二人きりだ。
「はい」
上杉が自販機であったかいコーヒーを買って渡してきた。
缶の熱さが指先にじんわりと広がる。
「……なんだよ。俺に構うのに飽きたんじゃないの」
俺の隣に座った上杉は真っ直ぐ前を向いたまま話しだした。
「岡本が佐久間と帰ったら諦めようと思ってた」
え…
「岡本ってノン気だろ?女の子寄ってきたらそっちの方がいいに決まってる。そしたら俺…勝ち目ない」
こいつ…そんなこと……
「俺なんてそんなモテねーよ」
「でも佐久間にモテてた」
そして上杉はちょっと俯いて消えそうな声で続けた。
「俺にも……」
いつも悠然とした上杉のこんな不安そうな顔を見るのは初めてで。
なんだかヘンに嬉しくて。
俺は、佐久間さんからのチョコは「他校にいる彼氏へのプレゼントの相談にのったお礼」という事実を言わないことにした。
「で、俺が佐久間さんと帰ったら本当に諦めたのかよ?」
ちょっと意地悪な気分で訊いてみる。
「どうだろ…やっぱり諦められなかったかも。こんな物持ってきてるくらいだから」
「?」
緩く微笑む上杉。
「これ…開けてみて」
クリスマスケーキでも入っていそうな箱を差し出される。
おそるおそる箱を開くとそれは。

大きな大きなチョコレートケーキ。
上に小さく「すき」と書いてある。
「これ…」
「俺が作った」
「え?!」
「お前に…俺が本当に好きだって事どうしたら分かってもらえるかって考えて……それで………」
寒さのせいで赤くなってると思ってた上杉の頬が更に色を濃くする。
「……もらってくれる?」
見事なケーキと小さな文字。
こいつ、もしかしてすごく不器用なんじゃないか?
気持ちを表すのが。
そう思ったらこの男が妙に可愛く見えてきたんだ。
なぜか。

俺はカバンからある物を取り出して上杉の手に押しつけた。
「……これやる」
「岡本」
それはコンビニで買った何の変哲もない一枚の板チョコ。
「おっ俺が食べようと思って買ったヤツだけど!こんなデカいのもらったら食べらんないからお前にやるよ!」
いつもの上杉みたいに余裕のある言い方したかったけど無理みたいだ。
声は上擦ってるし、きっと俺の顔は今の上杉に負けないくらい赤い。
顔を上げられない。
上杉にどう思われてるんだろう?
ドキドキしてヤツの言葉を待ってると……その腕が俺の体を力強く抱きしめてきた。
「ありがとう……すごく……嬉しい」
久しぶりに耳元で聞く上杉の声は、とても心地良く胸に響いて。
あったかい………
俺は幸せな気持ちでその腕に体を預けていた。

「ん?」
ふと。
上杉の肩越し、俺の視界の端に何か映った。
ヤツのカバンの横の紙袋。
山積みになっているのは、キレイにラッピングされたチョコ達………
「どうかした?」
「おま……随分チョコもらってんじゃねえかよ……」
「ああコレ?せっかくくれるって言うから断るのも悪いかと思って」
「ホイホイ受け取んなって!!俺の事好きって言ったくせに!」
「……お前だって佐久間からもらってただろ」
「お俺はアレ一個だけだぞ!」
「数の問題じゃない」
「うるさい!そんなにあんなら俺のチョコなんか要らねーだろ!返せ!!」
「ダメだ!これだけは渡せない!!」
その手からチョコを奪おうとする俺と、いつになく必死に抵抗する上杉。
「初めて岡本からもらった物なんだから!!!」
…コイツ………今のは殺し文句だ★
お、俺だってっ!!!
俺は思い切って自分の唇を上杉の頬にぶつけてみる。
キスとも言えないような乱暴な動作だけど。
「岡本……?」
ヤツの白黒した目を見ると急に恥ずかしくなってきた★
「そ…そんなもんいつだってやるよ!だから……他のチョコ全部寄越せ」
上杉の顔がパアッと明るくなる。
「うん…全部あげる。大事なのは岡本からもらったのだけだから」
……なんでコイツはこう恥ずかしいコトを臆面もなく言えるのか。
でも俺も負けず劣らず恥ずかしいヤツなのかもしれない。
何しろ、こんな寒風吹きすさぶ冬の公園で男同士で手を握りしめて見つめ合ってるんだから。



さて。
この大きなチョコレートケーキと袋に山盛りのチョコ。
待っているのは虫歯かニキビか、もしくはメタボ?
……愛されるって意外とほろ苦いコトみたいだ★



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

はい、いつもながらお粗末でした~~~★
R指定ナシと言っといて冒頭からコレかよ!と思いましたか?
結局エロくなかったデショ♪(笑)
思いついたキッカケは、アニメ『純情ロマンチカ2』最終回のバレンタインエピソードww
「あー、バレンタインねー。そーいやそんなイベントもあったねー。書いたコトなかったねー」と思いまして(笑)
(私にとってリアルバレンタインはダンナの仕事のノルマの為にチョコを注文する日です★)

この二人はそーゆー季節ごとの行事が似合いそうなんで、思いついたらまた書くかもしれませんww
読んで「かわいーなぁ♪」と思う方が一人でもいてくれたら嬉しいですvv

2009/01/23 Fri. 13:10 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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オリジナルSS:「12ヶ月」#1 好き好き大嫌い 

久しぶりにオリジナルのSSです。
予測はできると思いますが(笑)案の定BLなので苦手な人は避難してください!
R指定はナシよww
今まで書いたシリーズとは違う全くの単発物です。
ではドーゾ♪


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ずずずっ……ずずっ…

「岡本…その鼻水、どうにかなんないの?」
6時限目の授業中にいつの間にか寝入った俺は息苦しさで目が覚めた。
時は既に放課後。
がらんとした教室で鼻をすすっていると隣りの席のヤローが文句をつけてきた。
「バカ言うな、上杉。風邪を即効治せたらノーベル賞もんなんだぞ…ずびっ★」
「それは分かるけど、せめてちゃんと鼻をかめ」
ティッシュを差し出される。
「ん…さんきゅ」
ぶびびびびぃ~~~っ…
俺は遠慮なく力いっぱい鼻をかむ。
あー…ちょっと寒気もしてきた。
頭いてぇ……これヤバいかも……
あ。
その時俺はある事に気づいた。
「そういや上杉なんでまだいんの?もうみんな帰ってんじゃん」
「心配だったんだよ。お前の寝方具合悪そうだったから」
……心配。
な、なんかこそばゆい★
でも……こいつイイ奴…なのかも……
「でもさ、昨日はそんなにヒドくなかったよな?なんか無理した?」
「んー、無理とゆうか…」
「なに?」
「昨日家帰ってシャワー入ろうとしたらボイラー故障してて水で。何かで体暖めようと思ってガンダム無双始めたらなんだか朝になってた」
「うっわ…お前……バカ★」
「るせ。どうせ俺はお前と違ってバカだよ」
ずびっ!ずびびびっ!
「まぁ、そんなトコも好きなんだけど」
………………………………………………
「…今なんつった?」
「俺が、岡本を、好き」
……ただでさえ鼻が詰まって閉じられない口が余計閉まらなくなった。
「以上。何か言ってくれないかな?告ってんだから」
「……マジ………なワケないよな…?」
「大マジ♪」
「おおお俺ら男同士だし!!!」
「あ、岡本ってそーゆーの気にしちゃう方?」
熱の上がってきた頭がグルグルする。
予想外の事態に俺が返事を出来ないでいると、微妙に接近していた上杉の手が俺の手に重ねられた。
「…俺、優しくするよ?」
その声を聞いたらなんだかゾクッとして。
俺は鞄をつかんで走り出してた。


同じクラスだけど何となく接点がなかった上杉。
先月の席替えで隣り同士になってからあれこれ話しかけてくるようになった。
最初はスカした優等生かと思ってたのに案外気さくで、面倒見が良くって。
メールもたまにやり取りするようになって。
もしかして俺ら友達?とか思ってたんだ。
そんなあいつが俺を好きって……好きって……!

だだだだだだっ!!
ばんっ!!!
荒い音を立てて部屋に飛びこんだ俺は。
ワケの分からない動悸を抱えながらベッドの上に崩れていった。


それから俺は3日間熱にうなされ。
フワフワした思考の合間にちょこちょこと上杉の微笑んだ顔とか俺をかばうような仕草が浮かんできて。
「あれは俺が好きだってコトだったのか…」とかボンヤリ呟いてから慌てて部屋に誰もいないのを確認したり。
あいつの声を思い出したら胸が変な傷み方をして今年の風邪はタチが悪いとかブツブツ言ってた。
そして俺が寝込んでる内に2学期は終わり冬休みに突入し。
上杉からは何の音沙汰もないまま正月を迎えたのだった。


「…………………」
じっと携帯の画面を見つめる。
ブブブ♪
震える携帯の画面にはメール着信の表示!
即行でメールを開くと…
「佐藤か……」
中学からのダチの佐藤から変わりばえしないあけおめメール。
また携帯が震える。
「鈴木か……」
「なーにガッカリしてんのよ。誰からのメール待ってんの?」
「かっ母ちゃん!!別に……つか人の携帯覗いてんじゃねぇよ!」
「あ、もしかして彼女?んふふー♪アンタも色気づく年頃かーw」
「ちげぇよ!!!」
俺の怒鳴り声をカケラも気にせず浮かれながら離れていく母親。
その背中を見ながら
「彼女じゃねぇよ…」
そう口の中で呟いていた。
きっと今は回線が混んでてメールも繋がらないんだ、とか自分に言い聞かせて。

でも3ケ日が過ぎても上杉からはメールも電話も年賀状も、何一つなかった。



とうとう今日から3学期。
あの野郎、病気でもしてんのかなぁ……
学校に向かう足取りが重い。
校門をくぐりらしくない溜め息を吐くと、いきなり聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。
「おはよー」
「きゃあ、上杉くん元気だったぁ?ww」
「うん、元気。このとーり」
女子と笑いながら喋ってる。
…なんだよ。
俺のこと好きって言ったくせに。
やっぱ冗談だったのかよ…!
そうだよな。
好きなヤツの事冬休み中ほっといたりしないよな。
あれはあいつの冗談で。
なのに俺ばっかあいつの事考えてグルグルして……バッカみてぇ!!!
無性に腹が立った俺は、ずっと押したくてでも迷っていたメアドを押した。
たった一言だけ打って。

『テメーなんか大嫌いだ!!!』


ムカムカしながら教室に入る。
「おっはよー、岡本生きてたかー」
「おう…」
「機嫌わりーな★」
話しかけてくるクラスメートにも愛想振りまく気分じゃない。
どすんっ!
荒い音を立てて席に 着く。
「岡本おはよー♪」
ムカムカの元凶がヘラヘラ笑いながら近づいてきた。
「……気安く話しかけんじゃねーよ」
俺は思いっきり睨みをきかせる。
でも上杉はキョトンとした顔のまま。
「どした?」
ああっ!イラつく!!!
がたんっ!!
「え?ちょ、岡本。どこ行く…?」
俺は上杉の手を引っぱって教室を出て、人気のない教材準備室に入った。


「岡本こんなトコで何……」
「てめえっ!!さっきのメール見てないのかよ!!!」
俺は自分の送信した文章を上杉の目の前に突きつけた。
なのにヤツは間抜けな顔で。
「あ……俺、携帯年末に落として無くしちゃって…今持ってないんだ」
って………ええ?!
「持って……ない……?」
「そう、だからそのメールも見てないし。ずっとみんなのメアドも分かんなくて困ってたんだよなー★今日にでも新しいの買いに行こうと思ってたんだけど。岡本に付き合ってもらって。そしたら岡本のメアドを一番最初に入れられるだろ?」
…冷や汗が流れる。
え……と…、つまり俺が腹を立てていたのは………
「で、岡本はそんなメール送るほど何に怒ってたの?」
「え、いやその」
「…もしかしてずっとメールしなかった事?」
「べ、別に…」
「俺に会いたかった?」
「バ…バッカ!!そんなんじゃ…」
上杉がクスリと笑う。
「岡本、顔真っ赤」
ああ憎たらしい!!!
上杉はジリジリと距離を詰めてくる。
「冬休み中俺の事考えてた?」
「おっお前は俺の事なんか気にしてないんだろ?!」
「俺は考えてたよ……どうすればお前が俺の事好きになってくれるかって」
…耳元でそんなセリフ言うのは反則だ。
風邪はすっかり治ったのに顔が熱い。
いつの間にか俺は上杉の腕の中で、あいつの肩に寄りかかっている。
これが心地いいと思うなんて。
あんなにムカついたヤツなのに。
「携帯…俺にも選ばせろ」
やっと一言絞りだした。
「もちろん」
上杉の唇が俺の瞼に落ちてくる。
その優しい仕草は俺の冬休み中のイラつきを溶かすのに充分だった。


でも罠にハマったような気がするのは何故だろう?



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


いかがでしたか?
今回はあえてライトに可愛い雰囲気を目指してみました♪
つか最近あんま長文書いてないんでリハビリも兼ねて(笑)

発想の元はですね……
子供宛てに来た年賀状。
3ケ日も過ぎてから子供宛てに友達から「大嫌いだ」って書いた年賀状が届いたんです。
ま、まさかイジメ?!とか焦って子供に「あ、あんたコレ…?」と聞いてみるとヤツは平然として。
「あー、コレね(クスリ)Hが良くふざけて言うんだよ」
「え、でもコレHくんじゃないよ。Kくんだよ」
「あ?ホントだ。なんで……………あー!そっか!Kに年賀状出してなかった!!」
「えええ!なんで出さなかったんだよお?!」
「だってK去年引っ越して住所分かんないのに2学期末はずっと風邪で休んでて聞けなかったから」
「書け!今からでも年賀状書け!」
「えー今からぁ?意味なくね?」
「いいから書け!!」
とまぁ、こんなやり取りがありまして。
勝手にKくんがどんな想いで「大嫌い」と書いたのかなーと考えて。
「相手に期待してたからその通りにいかないと『嫌い』って言っちゃう。つまりは『好き』なんだなvv」と妄想に走りまして(笑)
そんでこうなった次第ですww
いやー、妄想の種ってどこでも落ちてるんだね!♪


※1/28ちょびっと修正しました。
修正箇所は上杉のセリフ。
これ書いてた時はまだキャラが定まって無くて口調がバラバラでした★
2作目書いて自分の中でだいぶイメージが出来てきた感じです。
この作品は「シリーズ 12か月」と題して連作にしようと思ってます。
テーマは「季節行事」wwww
月毎の彼らの変化を描いていきたいです♪

2009/01/08 Thu. 17:28 [edit]

category: オリジナル小説(BL)

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2017-10
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